「愛と狂気のマドリガーレ カルロ・ジェズアルドの芸術」:激情と奇矯と技巧
第16回定期演奏会
演奏:ラ・フォンテヴェルデ
会場:ハクジュホール
2012年9月28日
鈴木(弟ヨメ)美登里主催の声楽アンサンブル、今回の公演はジェズアルドである。
これまで、彼の宗教曲は録音で聞いていたがマドリガーレをまとめて生で聞くというのは初めてだった。
ジェズアルドと言ったらすぐ浮かぶのは、浮気した妻と相手の男、さらには自分の子どもまで殺害--という血なまぐさい事件である。当時ワイドショーがあったら全TV局横並びで一時間特集をやったぐらいのもんだろう。
もっとも、配布されたプログラムの解説によると、その後彼は再婚したりウツ状態で引きこもったりしつつ、並行して音楽活動をしていたらしい。
残された6つのマドリガーレ集から二、三曲ずつが歌われた。途中でリュートとチェンバロのソロ曲が入る。
プログラムには歌詞が載っていたが、簡略にまとめられた歌詞を字幕にしてくれたのは分かりやすくてよかった。
初期の頃はまだ元気な恋の歌もあったが、時代が後になるにつれて陰々滅滅とした失恋の嘆きや恨みの歌が増えてくる。こんな感じ→ _| ̄|○ ガクッ
もっとも、マドリガーレって元々そういう大袈裟な表現があるもんだからそこら辺は幾らか差し引かねばならないだろう
曲調も現代音楽に近いような奇異なものが多く、その生涯と共に異能ぶりを印象付けるのであった。
しかし、さすがにどのメンバーも腕達者……ならぬ声達者な面々ゆえ、ジェズアルドの曲も私の古楽脳に心地よく流れ込んで来るのであるよ。下手な歌手たちだったらこうは行かないわな(*^^)v
アンコールはマドリガーレでなくて宗教曲からであった。
なお、来年からはモンテヴェルディのマドリガーレ全曲演奏に挑むとのこと。スゴイですね~。会場からも「おお(!o!)」という声がもれた。大いに期待であります。
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