「プロメテウス」(3D字幕版):2時間制限のお化け屋敷
監督:リドリー・スコット
出演:ノオミ・ラパス
米国2012年
「エイリアン」シリーズは全てリアルタイムで見ている……のだが、何分にも大昔の事なんでリドリー・スコットが監督した一作目はほとんど覚えていない。
かろうじて覚えているのは終盤の死闘場面でヒロインのパンツ(下着の方の)が今にも脱げそうだったことだ。あんなに他人のパンツが脱げそうでハラハラ(*_*;したことは未だかつてない。
さて、シリーズの前日譚にあたるこの『プロメテウス』、巷の噂では一作目とよく似ているとか。さては、リメイクも数が増えすぎて飽和状態。加えて同じ監督が作るなら--ということで、形だけ「前日譚」その実リメイクという事にしたのだろうか。
確かに実際見てみると設定は未知の惑星に向かう学術探査船で、乗っているのは学者のはずだが言動は貨物船乗組員とほとんど変わらない。どこのチンピラのにーちゃんかと思ったら地質学者だって?
謎の遺構から宇宙人の死体が出て来て「不気味だ、先に帰る」といち早くに逃げたはずが、結局迷って他の隊員が引き上げた後もウロウロしている。しかもその挙句、最初に「不気味」だと忌避した場所に戻ってくつろいでいるのは何故だ
そこで明らかに生殖器みたいな形の謎の生物が出現すると、自称「生物学者」はなんと手を差し出して「おいでおいで」をするのであった……。
あのなあ、動物園でサルにエサやってんじゃねえぞ(-"-)
万事がこの調子である。加えて、それまで起こった事件に関係なく人物が場当たり的に行動するのも驚きだ。学習能力皆無?というより忘れっぽい?……というより乗組員全員がラリっているとしか思えなかった。コールドスリープの酸素にでも麻薬が入ってたんじゃないか
先日『ダークナイト ライジング』を突っ込みどころ満載のように書いたが、こちらはそれどころじゃなかった。マイッタ_| ̄|○
スタッフ、キャストに一流どころを揃え特撮も立派なもんであるが、それらを駆使して描いているのはトンデモB~Z級ホラーなのであった。
まことにカップルやグループでキャアキャアO(≧▽≦*)O言いながら見るのにふさわしいノリの映画である。
イタそうな手術の場面も含めて、遊園地のお化け屋敷をそのまま映画にしたと言っていいだろう。ただし、コワい場面は全て性行為のメタファーなので、お子ちゃまは入場禁止である。
3D効果はあまり感じられなかった。こういうボッタクリ感もお化け屋敷ならではかね。
ヒロイン役のノオミ・ラパスはなんだか引きつった笑いが印象に残るばかりで、主役のオーラなくあまりサエなかった。
マイケル・ファスベンダーとシャーリーズ・セロンの「疑似姉弟」はヴィジュアル的にはキマっているが、行動原理が不明。
ガイ・ピアースは老人メイクで終始し、別に彼でなくてもいいのではという疑問が浮かぶせどそれを言っちゃおしめえよ。(見てて最後まで彼だと分からなかった(^_^;))
それ以外の人間は(ヒロインの恋人も含め)「その他大勢」の扱いだった。
結末は明らかに「続編にご期待ください」モードだったが、正直《人類の起源》がなんだろうとどうでもよろしい。
かくなる上は、ロボット役がハマっていたM・ファスベンダーにデータをやってもらって、「新スタートレック」のリメイクでもして欲しいね。
エログロ度:7点
科学度:1点
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コメント
昨日、帰国便の飛行機の中で見ました。座席に付いてる15x30センチくらいの極小スクリーンだったこともあり、果てしなくB級以下の映画になってました。突っ込みどころに関しては、さわやか革命さまとほぼ同様の感想です。
最近やたらと出演作の多いファスベンダーは、むっつり助平というか何考えてるのかわからない役ばかりだったけど、アンドロイドなりきりキャラならぴったり。血の通った生身の人間じゃない香りがいつでもするから、このまま不気味路線を行けばルト様のようになってブレークするかも?
また、セロンの氷のような表情やスレンダーで人間離れした体型に『ブレードランナー』のショーン・ヤングちゃんを思い出して懐かしい~。
投稿: レイネ | 2012年10月20日 (土) 21時46分
|15x30センチくらいの極小スクリーン
そんな小さいので見てはダメですよ~(^O^)
あの宇宙船がゴロゴロ転がってくる場面なんか大きな画面で見なくては迫力皆無です。それに「どうして横に逃げないんだろう?」なんて基本的疑問が湧いちゃうじゃないですかっ。
|不気味路線を行けばルト様のようになってブレークするかも?
では二十年後ぐらいに「ヒッチャー」の再リメイクで出演お願いしたいです(^^)/
投稿: さわやか革命 | 2012年10月21日 (日) 13時39分