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2012年10月 8日 (月)

結城座「ミス・タナカ」:真珠と金と女と

121008
作:ジョン・ロメリル
演出:天野天街
会場:東京芸術劇場シアターウエスト
2012年9月26日~30日

糸あやつり人形の結城座がオーストラリアの戯曲を上演。演出は「少年王者館」の天野天街である。

オーストラリアを舞台にしているといっても、中心人物は日本人の親子である。第二次大戦前、オーストラリアの海岸の町にはアジア各地からの移民が、真珠貝を採るダイバーとして生活していたという。
主人公の父親はダイバーを既に引退して酒とバクチに金を費やしている。息子は父を日本に連れ帰ってやりたいと考えているが金はない。
そこに真珠の採取会社の後を継いだ男がロンドンからやってくる。

これは「M・バタフライ」みたいなオリエンタリズムの勘違いとカルチャーギャップを背景にしている話なのか、と見て思った。(それがテーマの全てではないが……)
また、群衆が登場する場面が多く人形劇にあまり向いていないのではないかとも感じた。ミス・タナカ以外は人形である意義があまりないのでは?

それと、元の芝居では英語と日本語が飛び交い、人物のコミュニケーションがストレートに行かない部分が大きく出ると思うのだが、ここでは当然ながら全部日本語なのでそういう意思の疎通の壁は浮かんでこない。

ということで、見ていて隔靴掻痒、何やらもどかしい気分がしたのであった。あまり知られていない史実を元にしているのは面白いと思ったが。
音楽の生演奏はオーストラリアのミュージシャン二人(パーカッションとディジュリドゥ←笛?)とチェロの坂本弘道が担当。


この日、初めて新装なった東京芸術劇場に行った。芝居用の会場は地下だったので、開館早々止まってしまったというエスカレーターには乗らなかったが、地下のホールは暖色系で落ち着いた感じになってビックリ。噴水や、その背後にあった黄緑色の円管を連ねたアート作品(?)もなくなっていた。あの円管は当初、水が流れていたと記憶しているが、段々薄汚れてきちゃったんだよね。
一階のスペースはクローズドな空間になったが、ただの空間でなんだかしどころがないというか、虚ろというか……何のためにあるんだろう(?_?) 無料ライブでもやるためなのか? どうせだったら屋台でも置くしかないかも。


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