「今村泰典 ビウエラ・リサイタル」:曲は残れど楽器はいずこ
16世紀スペイン黄金時代カルロス5世の音楽
会場:近江楽堂
2012年10月12日
ビウエラは外見はギターっぽい楽器。この日配られた解説によると、ルネサンス期にスペイン、ポルトガルやイタリアの一部と中南米でさかんに演奏され曲集も多く発表されたという。しかし、実際にどんな楽器であったのかはよく分かっていない、というのはオドロキ。現存するのが3台しかなくて、みな形状が異なるのだという。
さらに形はギターに似ていても、互いの曲を演奏するのは不可能だそうな。
そんなビウエラを日本三大撥弦楽器弾きの一人今村泰典が独奏した(「三大」のうち残りの二人はあなたの好きな奏者を入れましょう)。
主に16世紀中ごろの舞曲、当時流行った世俗歌曲を元にした変奏曲で、作曲家はミラン、オルティス、ムダーラ、ナルバエスなど。
リュートよりも硬質で、しかし音量はさほどなく線が細い印象の音だった。近江楽堂がちょうどいいくらいの大きさの会場だろう。当時の宮廷もこんな広さだったんだろうか?
オルティスのレセルカーダの一曲はタブラトゥーラが定番曲にしているもの、またフォリアを元にしたものもあった。
今村泰典の演奏は、速い曲では指の動きよりも音が速く聞こえたような気がしたりして(こちらの動体視力が間に合わないのかっ)さすがと唸らせるものだった。
先週は冷房攻撃にあった会場だったが、今回は停止していたんでホッである。
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