「鍵泥棒のメソッド」:詐欺師にも三分の理
内田けんじ監督は過去の作品『運命じゃない人』、『アフタースクール』を見ている。いずれも見て驚きの展開が続いて口アングリ状態になってしまった。
5年ぶりの新作は今までで一番コメディ色が強いようだ。
ほとんど一文無し状態で自殺を図るも失敗した男が、ひょんな偶然から記憶喪失になった男に成り替わる。羽振りがよさそうなその人物、映画の冒頭から殺し屋であることが観客には明らかにされている(が、男はそれを知らない)。
殺し屋は男のぼろアパートに戻ってきて、そこにある物から自分が何者か推理しようとする。さらにそこへ雑誌編集者の女がからんできて……と、ありえないような人物と設定だが、うまく成立させているのはお見事である。一、二か所おかしなところがあるがキニシナイ(・ε・)
ただ「意外な展開」と言っても、その感想が
「驚いた!すっかり騙された。素晴らしい」となるか
「え~~、そんなのありか?ありえねえ(ーー;)」となるかで
正反対の評価になってしまうのである。
この映画はどっちだ
役者がオーバーアクト気味なのは少し鼻についてしまった。コメディ演技とオーバーアクトは違うと思うんだが(?_?)
それと前半がややタルイ。上映時間128分て、もう少しテンポ速く出来たんじゃないのか?
--と、過去の作品よりも文句を付けたくなる部分が増えてしまった。またも次作に期待と取りあえず言っておこう。
ヒロインの母親役をどこかで見た顏だなあと思ってたら木野花だった(^_^;)
騙されたい度:5点
騙されてたまるか度:7点
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