「そして友よ、静かに死ね」:友情の代償
監督:オリヴィエ・マルシャル
出演:ジェラール・ランヴァン
フランス2011年
止めてくれるな、妻よ息子よ。背中の銃が泣いている--なフレンチ・ノワール映画である。原題や英語タイトルは単純なのを、いかにもな邦題にしたのは同じ監督の過去の公開作が『あるいは裏切りという名の犬 』にならったのか。
ともあれ、そのタイトルから想像されるイメージ通りの内容である。
今は引退して堅気な暮らしをする老ギャングの下に、子どもの頃からの親友であり犯罪者仲間だった男が、厄介ごとを抱えて帰国し逮捕されたという知らせが届く。
果たして友情か自分の家族の安寧か--揺れる男心であった。
そして、若い頃に共に銀行強盗で荒稼ぎした時代の回想へと入っていく。
主人公はフランスでは知らぬ者のいない人物で、これも彼の手記を元に映画にしたそうである。
彼は親友を脱獄させようとするが、それがあらぬ方向に転んでトラブルを呼び寄せるのであった。
回想時代は60年代末から70年代初めぐらいで、当時流行った音楽をバックに細身のスーツなんか着ちゃって強盗する--ってのを若手の俳優さんを使ってポップに見せてくれる。
一方、現在の方は渋めのオヤヂ役者が多数登場。オヤヂ萌えには推奨である。どちらの時代もカッコエエよ。
裏切りか友情かというのはこの手の作品には定番だが、定番を愛する人にはオススメだろう。もちろん定番すぎるという批判もあるかもしれない。
それにしても、あれだけ殺人があっておとがめなしというのはオドロキである。他方、警察も拷問やり放題。ギャングには容赦しないのか。スゴイなー(+o+)
ところで、やや前方よりの座席で見たのだが、非常に画質が荒い。通常のフィルム上映じゃないなと思ってたら、どうもDVDだったらしい。大画面じゃないとダメっていうような内容の作品じゃないし、これでロードショー料金取るのはあんまりだ。これじゃあ、レンタルDVD出てから見た方がよっぽといい。
そのせいかその映画館はもうすぐ閉館するのだが……。
友情度:8点
画質度:3点
| 固定リンク | 0
コメント