「ジャン=ギアン・ケラスwithベルリン古楽アカデミー」:ヴィヴァルディ節炸裂す
私の守備範囲からは完全に外れているため、ジャン=ギアン・ケラスとは何者か全く知らなかった。チラシなぞ見てみると、イケメン若手チェロ奏者みたい。ベルリン古楽アカデミー(略称はAKAMUSというのな。今度こそ覚えたぞ(^^;)のヴィヴァルディが聞けるならと、ともかくチケット購入したのだった。
会場はほぼ満員だったようだ。
今回のコンマス(全部で4人いるんだっけ?)は頭頂の輝きも見事なゲオルグ・カールヴァイトである。
編成はヴァイオリン3+3、ヴィオラ2、通底はオルガン+チェンバロ、チェロ、コントラバス、ファゴット、リュート+バロックギターだった。
冒頭はヴィヴァルディのオペラのシンフォニアから演奏。のっけから勢いが全開な調子で、おおお(!o!)来る来るとノリが高まったところで、ケラス氏が登場してチェロ協奏曲を一曲共演。彼が引っ込んでまた別の曲--という風に一曲おきに共演曲を挟み込むという構成を取って進んだ。
同時代のカルダーラの曲も二曲演奏された。
共演曲では珍しや、チェロとリュートの掛け合いや、チェロとファゴット(奏者は大柄な美女)がソロを取る協奏曲などもあって面白かった。
ケラス氏はさすが生きのいいチェロ奏者ということで、先鋭的かつ攻撃的な演奏だった。しかも楽器のエンドピンを外して心はもはや古楽といった様子である(弓はモダンのまま?)。
ただ、いずれにしても聞いてみて正直なところやはり私の守備範囲外という印象だったのは否定できない。
全体の中で一番良かったのはケラスが入ってない曲だけど、「調和の霊感」11番だったと思う。近年、「イタリア過激派」の台頭が甚だしいが「ドイツ過激派」も負けちゃいられねえ~というぐらいにドトーのような迫力である。ヴィヴァルディの俗っぽさ、大仰なところまで全てをひっくるめてプラスへと転化する演奏だった。ブラボーが飛ぶのも納得だ。
この曲でAKAMUSのチェロ奏者のおねーさんもなかなかの使い手だと判った。
アンコールはチェロ協奏曲から3曲やってくれた。
思わず興奮した満足感深いコンサートであった。
12日のドイツ篇の公演は次に書く予定。
【関連リンク】
三鷹市芸術文化振興財団HPより
ページの下方でコンマスのカールヴァイトが初来日した時の思い出を語っている。なんだよ、エエ人じゃないか。思わず涙目になっちゃったよ。
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