「クリスマス・コンサート 2012」:鎮魂のクリスマス
スペイン・ルネサンス音楽の巨匠
演奏:ラ・フォンテヴェルデ
会場:ハクジュホール
2012年12月14日
鈴木(弟ヨメ)美登里主宰のラ・フォンテヴェルデ、毎年クリスマス・コンサートをやっているそうだが、私が行ったのは初めてのようだ。(記憶があいまい(^^ゞ)
スペインの巨匠ビクトリアの合唱曲を中心に、他にカベソン、ロボ、ゲレーロの作品も交えての演奏である。
前半はその作曲家たちの聖母子のための曲を集めたものだった。この日の歌手の人数はゲストを加えて12人と、このグループとしては多い方で、色々と編成を変えて歌われた。中には男声4人だけというのもあった。他の作品は「複合唱」という形式が多かったが、こちらは純然たるポリフォニーの世界。ウットリであ~る。
後半はビクトリアの「レクイエム」一曲真剣勝負。配布されたプログラムに、鈴木美登里がこれをクリスマスコンサートで演奏する理由について、大震災の被害がまだ未解決なのに「遠くにいるからといって何もなかったようにはしゃぐことはできないような気がします」と書いている。実に硬派である。お見それいたしましたm(__)m
12人総出で、いずれも個人でも実力ある歌手が揃い、流麗なルネサンス合唱の世界を存分に味わせてくれた。指揮者がいないので(鈴木女史が合図を出していたが)タリスコ風の端正かつ整然とした美を求める人には不満だったかもしれない。が、代わりに個々の歌手がバランスを取りつつコーラスを紡ぎ出していく、という別の形の美しさが存在したのである。
4月に彼らとザ・ロイヤルコンソート、つのだたかしとの共演コンサートが予定されているためか、つのだたかし(波多野睦美も?)、上村かおりを客席で見かけた。
こちらも楽しみであるよ
それにしてもハクジュホールは音はいいけど、この狭苦しさは勘弁である。座っててエコノミークラス症候群になっちゃうんじゃないかっていうぐらい。地震や火事が起こったら他人を踏んづけて逃げられる人間だけが生き残れることだろう。
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