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2012年12月 4日 (火)

音楽付きコメディ「病は気から」:医者が来りてホラを吹く

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作曲:マルカントワーヌ・シャルパンティエ
台本:モリエール
演奏:寺神戸亮&レ・ボレアード
ステージング:宮城聡
潤色:ノゾエ征爾
会場:北とぴあ さくらホール
2012年11月23・25日

毎年開催の北とぴあ国際音楽祭。今回はフェスティバル/トーキョーに行ったりして、オペラ公演しか行けなかった。なお、この音楽祭についてご存じない方はこちらの記事の後半にまとめてあるのでお読みくだせえ。

さて話題はなんてったって宮城聡が加わっていること。彼が主催していたク・ナウカの芝居は幾つか見たが、オペラ&喜劇というのは初めてでどういう風に演出するのか興味津々であった。
もっとも基本は演奏会方式(「セミ・ステージ形式」となっておりますな)なので、オーケストラはステージ上にいるし、原作は舞踏喜劇となっているがダンスは無しということになる。
ところで、この一か月前に宮城聡は芸術監督をやってる静岡のSPACでも上演しているのだが、こちらは音楽なしで芝居部分だけを全部やったとということなのかね?

会場に入ってまず驚いたのはステージ上方に「医大合格 留医予備校」という看板がかかっているではないか。な、なんと自治体が運営する公共ホールの資金難もここまで極まれりdash遂に開演前のステージに広告を出すほどまでになったのか(>O<)……と嘆いたが、ん?待てよ「留医予備校」、留医、ルイ……14世fuji

ということで、プロローグはオーケストラの背後に階段状に座席が設けられていて、そこに予備校生たちが座り、ルイ14世ならぬ留医予備校をヨイショする歌が始まる。
2人の学生(羊飼い)が我こそはと歌合戦をするが、そのうちの一人を歌っているE・ゴンザレス=トロが妙に学ランが似合っていて笑ってしまった。
メガネっ娘の女子高生フローラ役のマチルド・エティエンヌは、清廉ながら力強い歌声を壇上のてっぺんから響かせたのであったよ。

その後は、病を気にし過ぎの親父が娘を医者の家へ嫁にやろうとする本筋の喜劇、そして幕間劇が交互に演じられる。原作では幕間劇は喜劇の方とは関係ないそうなのだが、ここではすべて医者の話に仕立ててくっ付けてあった。
芝居の部分では日本人の役者と外人勢の歌手が日本語とフランス語のセリフで会話したり(仏語の時は字幕がちゃんと出る)、幕間劇では原語の歌と日本語のセリフの掛け合いなんてのもあった。もっとも、後半ではガイジン組も日本語のセリフで話してましたなsweat01

ラストは冒頭の予備校に戻り、医者になる怪しい儀式が行われる。インチキなラテン語が飛び交ったようなのだが、そこまで聞き分ける言語耳は当方になかったのは残念無念である。ここでも、親父役の阿部一徳(なぜか野田首相にクリソツ)が大いに笑わせたのだった。
ここでは医者は徹底的に諧謔の対象となっていて、医者への疑惑な眼差し(わけわからないこと言ってぼろ儲けしてんじゃねえの--みたいな)は国も時代も違っても、変わらないのだなあと変なトコで感心してしまった。
そして、白衣をまとった指揮者の寺神戸亮が無事に最後のオチを決めて、会場を爆笑に包んだのである。
私の後ろにいたオバサンは「寺神戸さんブラボーflair」と叫んでましたよ(@∀@)

全体的に見て思い浮かべたのは、歌手が曲の合間にコントを演じてた昔の歌謡番組である。能天気で統一性のないバラエティな感じがよく似ている。
そんな現代の日本人が上演するのには極めて難しい演目を、よく成り立たせたもんだと感心した。歌手と器楽と役者のコラボがよほどうまく行かないと無理だろうし、その三つのどれかに比重をかけすぎても壊れてしまう。

ク・ナウカ時代にはシリアスな劇しか見たことなかったのだが、5人の役者の笑わせぶりも達者だった。合唱で一緒に歌っていたのには驚いたけど……(!o!)
ネットで役者不要論を見かけたが、夜警たちに男が職務質問(?)される幕間劇はやはり役者が演じないと無理だろう。特にチェンバロ担当の上尾直毅がバロックギターも持ってたまに弾いていたのを、「偉そうにpunchあんた両方の楽器同時に弾けるのか、ゴルァ」と弟役の泉陽二にいじられるところなんかこれまた爆笑であった。

ヒロイン役のM・エティエンヌは過去にこの公演で見た(聞いた)ことがある。間近では小柄な印象だったのが、舞台では大きく見えて声も外見も舞台映えするのねshine
日本人では安冨泰一郎が、いかにもおフランスな晴れやか系テノールで聴衆を引き付けたのだった。
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というわけでS席6000円ナリの元は完全に取れたのは間違いあるまい。
蛇足ながら、プロローグでの野々下由香里の女子高生姿可愛かったですわ(*^o^*) ポッ それとラストでは波多野睦美のメガネの女医さん萌え~heart01
なお、お二人が「ムーア人の女」に扮して歌った幕間劇は、踊りはなかったけど退廃的な雰囲気が充満してましたな。

来年はモーツァルトか……どうしようかな(・・;)

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