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2013年2月11日 (月)

「コレッリvsルクレール」:名演奏家の超時空対決

130211
2人のヴァイオリンの名手を讃えて
演奏:アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディア
会場:近江楽堂
2013年2月5日

この度めでたくグループとして初CD「ジャン=マリー・ルクレールの肖像」を出すということで、その記念コンサートとコレッリ没後300年祝いを兼ねて行われた公演である。前回はかなりマイナーなイタリアものだった。
今回は共に優れたヴァイオリニストにして作曲家である2人を時空を超えて対決させようというもの。ルクレールはコレッリより後に生まれること四十数年、イタリアでは彼の弟子に師事したという。フランスに帰国後は宮廷で活躍した。

プログラムは最初と最後の曲はルクレールで、間にコレッリ作品(とパスクィーニの鍵盤曲一曲)を挟むという構成だった。

2人の作品を並べて聞くと、時代のせいもあるだろうが、ルクレールの方が洗練された味わいがあるようだ。
対するコレッリは野暮--ではなくて、何が飛び出してくるか分からない不均衡な美という印象だ。そんな特性はソナタ第8番の演奏によく表現されていた。特徴あるフレーズが楽章ごとに楽器の組み合わせを変えて立ち現われてくる。

個人的にルクレールは十数年前に出たロンドン・バロックの録音2枚をよく聞いていたが、それとはまた異なるアプローチだった。重心が低く安定して地を歩む心境。空を高く飛ぶようなロンドン・バロックとは対照的だ。
ラストの曲はかなり長い大作だったが、4人が演奏し終えた時には満員の会場は拍手喝采状態となったのだった。
やはりこのアンサンブル、キリッとしてて聞いてて気持ちエエです。

曲の合間の渡邊孝のトークも最近、ユーモア度が増加しているようである。コレッリが楽譜を出版した時に、使っちゃいけない並行五度が使われていると同僚がイチャモンを付けたというエピソードを、面白おかしく披露してくれた上、そしてその曲を実際に演奏してみせたのだった。会場ではどこの部分に使われていたのか分かった者はいなかったので、コレッリがいう通りに無問題ということで決着がついたのである。
渡邊氏はチェンバロをイタリアンとフレンチ二台を持ちこんで使い分けしていて、その音色の違いも解説、なんてこともした。

公式発売よりも一か月早く会場でルクレールのCD売っていたので、すかさずゲット
また次回も楽しみであ~る。(次は何やるか予告はあったっけかな(^^?)

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