「東ベルリンから来た女」:不自由への脱出
監督:クリスティアン・ペツォールト
出演:ニーナ・ホス
ドイツ2012年
ベルリンの壁崩壊より9年前の東独が舞台の話である。東ベルリンの大病院から女医が田舎町へ左遷されてくる。彼女は同じ病院の同僚たちには心を開かず、秘密警察に常時監視されているらしい。
仕事では的確に判断するプロフェッショナルな態度を示す彼女、しかし当局の目を盗んで西側の恋人と密会しているのであった。
強風にそよぐ樹々やのんびりした田舎道、その中を自転車を走らせるヒロイン……静かでやや不穏ながら美しい映像が印象的である。
だが、その中も監視の目を気にし、ご近所の密告者かも知れない隣人たちを警戒しつつ、無表情に淡々と仕事をこなす彼女だったが、恋人の手引きで亡命の準備が進む。しかし日々を送るうちに心残りな出来事が積み重なる。クマさんみたいな同僚(恋人とは正反対のタイプ)も気になるのよ
他の人の感想で、これは政治ではなく女性の生き方についての話だというのがあったが、確かにそういう面もある。
彼女の選択の原因の一つには、ホテルで恋人が不用意に発した一言があると思えた。
しかし、これでよかったのかね。ラストシーン以降が気になる。どんな運命が待ち構えているか分からない。
とはいえ、エンドクレジットのに流れる、シックの自由を讃える歌(彼らこんな曲もやってたのね~)を聞いていると前向きな気分になるのだった。
……というわけで、映画会社さん最後に流れる歌の歌詞は必訳してくださいよう。高いロードショー料金払ってるんだぞ(ーー゛)ゴルァ
全体にストイックで隙がない出来である。ただ問題はケチが付けようがない(テーマ的にも)だけに、逆に「いい映画でした」で終わってしまい、それ以上何も言うことがないということだろうか。
あ、でもレンブラントの絵の議論のくだりは謎(^^?) 彼は何を言いたかったんでしょうかな?
ヒロイン役のニーナ・ホスは仕事の時は冷静、恋人の前では晴れやかな笑顔の両面使い分け(こういうのがホントのツンデレか)を見せてうまい。
包容力ありそうな同僚のロナルト・ツェアフェルも好感度大。彼がよくないとヒロインの迷いも説得力無いわけだから、重要な人物である。
ところで、女を口説くのには家庭料理が一番てことですね。皆さんよく覚えておきましょうヽ(^o^)丿
東側度:8点
西側度:5点
| 固定リンク | 0
コメント