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2013年3月30日 (土)

「悪人に平穏なし」:結果オーライ(多分)

監督:エンリケ・ウルビス
出演:ホセ・コロナド
スペイン2011年

スペイン国内で幾つも賞を取った警察アクションものだというので行ってみた。
かつては優秀だったらしい刑事が今は失踪人課に左遷されてヨレヨレしている。で、泥酔した挙句たまたまうさん臭い奴らを射殺してしまう。ただ一人逃げ出した男を追って(もちろん証人隠滅のため)、捜査のふりをして探し回るのであった。

一方、この殺人事件を捜査する特捜課は組織犯罪と考え、殺害された被害者たちの素性を洗うと何やらアヤシイ背景が……。

もちろん、件の刑事が殺人を犯したのは泥酔のためで、深い理由があったわけではない。あるとすれば「うさん臭い」ぐらいである。
悪徳刑事が保身のために奔走することが、結果的に逆に善行になるというのは面白い--はずなのだが、だったらそれまでの刑事の悪徳ぶりをある程度描いてくれないと、あまりその効果が効いてこないのだった。チンピラから金をせびり取るとか、売春宿に入り浸るとか。

全体の雰囲気はドライなのはいいが、起伏がなくややまどろっこしい印象があって眠気虫が出そうだ。こういうのは編集が大事だなと思った。それと香港系アクションの影響もかなりあるようだ。最近の北野武作品は見てないので分からないが、それも少し入っているかもしれない。

ただ、ラストシーンはどういう意味なのか? 解釈に迷うところだ。タイトルの出し方は皮肉が効いている。

主演のホセ・コロナドは普段は専らよき父親風な役柄をやってる人らしい。そういう点も国内でウケた理由だろうか。
どうでもいことだが、人物名がやたら多くてこんがらかってしまったよ(@_@;) 名前が覚えられないので、海外ミステリーを読まないという人を思い出した。


悪人度:6点
起伏度:5点

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