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2013年3月23日 (土)

「受難のレスポンソリウム」:翳りゆく聖堂にて

130323
コントラポント第13回定期公演
会場:聖母病院聖堂
2013年3月17日

コントラポントは普段は器楽も入れて大きな編成でバロック期の曲をやっているが、今回の公演では若手の歌手だけでアカペラ合唱をやるということだった。

開演の前に指揮者の花井哲郎のレクチャーが15分ほどあったのだが、例の如く遅れて終わりの方しか聞けなかった(+_+)トホホ
ジェズアルドの宗教曲「聖週間のレスポンソリウム集」から木曜と金曜それぞれ9曲ずつが演目である。これは3曲ずつが一つのセットになっていて、実際の典礼を模してその終わりに黙とうを入れることにしたという。最初は1分間にしようとしたが、「今どきの若いものは沈黙に耐えられなくて」(←花井氏いわく)短く(30秒程度)したらしい。

宗教曲とはいえ、ジェズアルド作だからしてマドリガーレの作風が色濃い曲集である。となると、前衛的でありながら地を這うような濃密さを感じさせるはず。しかし、彼らはそういう方向には行かず、あくまでも明晰に透徹した世界を浮かび上がらせた。
どの曲も合唱に始まり真ん中で独唱者が歌い交わしまた合唱へという形を取っており、合唱部分もソリスト(交代で歌っていたもよう)もよどみなく「ええっ、これで若手なの」的な落ち着きさえあって感心してしまった。(専門家が聞いたらどうかわかりませんが)

会場は先日行ったスコットホールとは違って、こちらはモダンで新しい教会である。行った時はちょうど西日がステンドグラスから横に差し込んで、明るく輝いていた。
プログラムが進むにつれて日が暮れて段々とかげってきて、夜課のように最後が完全な暗闇というほどではないが、夜の気配が色濃く迫ってきたので雰囲気満点だった。

配られた歌詞(いずれも聖書から取られている)の対訳を見てて、一つすごく気になるものがあった。調べたらエレミア書らしい。後で読んでみよう。


次回はまた器楽も入ってシャルパンティエをやるもよう。ただ会場が東京カテドラル……今のところ保留だな(+o+)


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