「宇治川朝政×グレン・ウィルソン」:風と共に吹きぬ
突如、大風が吹き荒れ「煙霧」なるものが街を覆った日に、人気もない早稲田の裏町をトボトボと歩いてたどり着いたは、初めて訪れたスコットホールである。
中は質素な感じで十字架やオルガンがあり、普段は教会の講堂として使われているようだ。
今宵はここでリコーダーの宇治川朝政(前回のコンサートの感想はここ)とチェンバロのグレン・ウィルソンのコンサートがあるのだった。ウィルソン氏は雑誌「アントレ」の1&2月号にインタヴューが載っていたので、読んだ人もいるだろう。そこでレオンハルトと共に写っている写真は細身だが、現在はその3倍ぐらい横幅がある(当社推定比)大柄なオヤヂである。
取り上げられた作曲家はオトテール、フィリドール、テレマンなどなど。リコーダー曲の間に短いチェンバロ独奏曲(クープラン、ダングルベール)を数回入れるという体裁だった。
事前のイメージよりもはるかにリコーダー中心の構成だったのは意外である。
宇治川氏は特に後半が調子よく、テレマンの「忠実なる音楽の師」ではテクニックの極みに果敢に挑戦し聴衆一同の耳をダンボ状態にさせた。
一方、ヴィヴァルディ作と称して顰蹙をかったシェドゥヴィーユの「忠実な羊飼い」は、歌心ある演奏で会場の心を掴んだのであった。
いつもはチェンバロについては福間彩が相方を務めていて、相性良く協同するという印象である。今日のウィルソン氏は時々鋭いタッチを閃かしながらも、ベテランらしく包容力ある風に陰から支える演奏だった。
正直、できれば彼の演奏をもう少し聞ければもっと良かった。我儘かしらん(^_^;)
会場は最近公演チラシで何回か名前を見かけるようになった場所である。音は非常にいいと思うけど、トイレが隣の建物でしかも数が少ない(!o!) 雨なんか降ったら傘さしていかなきゃならないぞ~。
それから規格はずれの強風とはいえ、風で窓(サッシとかじゃなくて木枠なのだ)がバタバタと音がしてたのはなんだかなあ
ところで、曲目のリーフレットに今後の予定というのが載っていて、それを見るとまたガンバ弾きのJ・チータムと共演するんじゃないですか。その次は「涙」のトーマス・メラナーも! 楽しみ楽しみ(*^^)v
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