「悲しみのダウランド メランコリー」:リュートを抱いた渡り鳥
ジョン・ダウランド生誕450年記念シリーズ第1回
演奏:ザ・ロイヤル・コンソート、ラ・フォンテヴェルデ、つのだたかし
会場:ハクジュホール
2013年4月19日
つのだたかしがダウランドのメモリアル・イヤーに際して企画しているシリーズ初回である(4回目は大トリが控えているという次第?)。
最初から意欲的な組み合わせであります(^-^) 英国系ガンバ合奏が中心のザ・ロイヤル・コンソートと、最近はジェズアルドやモンテヴェルディを歌ってるラ・フォンテヴェルデ--あっさり味とこってり味のぶつかり合いといったところか。さてどうなると期待大で行ったのであった。
プログラムの構成が面白い。上村ゆかりが担当したとのことだが、ダウランドの生涯を4期にわけて、イタリア→英国→デンマーク→英国とその時に滞在した土地にちなんだ曲も取り上げるという趣向だ。しかも、どの時期の冒頭はガンバの合奏曲、終わりは独唱曲で締めくくるという凝りよう。面白い!(^^)!
聴く前は異なった個性が激突なのかと思ったが、そんなことは全くなかった。つのだたかしはコンソートの一員であるかのようにリュートを弾いていたし、5人の歌手たちは何回も共演しているがごとく息が合っていた。
中でも特筆すべきは、ダウランドがイタリア語の歌詞で作曲した歌(そんなのがあったとは初めて知ったぞ)の演奏である。鈴木美登里が熱唱し、それと同じくらいに上村かおりがトレブル・ガンバを激しく雄弁に弾いたのであった。こんな熱い上村女史は初めてよ
ラストは上杉清仁の独唱で「暗闇に私はすみたい」。これも最後に歌の内容に合わせて会場が暗くなるという仕掛け付きだった。
一つだけではないダウランドの多彩な面を様々に見せてくれた好企画コンサートであった。
それとダウランドが作品を捧げたという先輩格のホルボーンの合奏曲が2曲演奏されたのだが、これが意外にもよかった。ダウランドと違って明晰な味わいあり。ディスクが出てないか探してみよう。
普段、ザ・ロイヤル・コンソートは教会で聞くことが多いのだが、ハクジュホールのような音のいい専門ホールだと細部まで聞き取れて、全く異なった音になっていて驚いた。座席はエコノミークラスの広さで狭苦しいけど、やはりこの会場はあなどれぬよ(ーー;)
| 固定リンク | 0
コメント