バッハ「ミサ曲ロ短調」:とかくバッハは……
演奏:鈴木雅昭&イェール大学スコラ・カントールム合唱団、ジュリアード音楽院古楽オーケストラ
会場:東京藝術大学奏楽堂
2013年6月2日
鈴木雅昭はイェール大学の招聘教授になってたとのこと。知らなかったです(^^;)
で、学生による合唱団(オーディションで選ばれる)とジュリアード音楽院の古楽器アンサンブルの組み合わせで、日本とシンガポールへのツァーを行なった。本国でも公演をやったらしい。
実は2週間ぐらい前まで全く知らなくて、あわててチケットを購入した。自由席とはいえ、2000円! 超格安であります。もっとも向こうの学生の水準がどれほどのものなのかは未知だったわけだが。
実際に聴いてみると、予想したよりはるかに高水準だった。いわゆる「学生」のイメージとは全く異なっている。独唱者たちも瑕疵なく堂々としたもんである。
あら捜しをすれば、合唱が最も複雑な部分に来るとベチャッと潰れた響きになってしまうのと、木管楽器パートのバランスがちょっと悪かったことだった。オーボエが独走してしてしまってたのかな?
合唱は各声部5~6人ぐらいか。珍しかったのは歌ってる時に身体をみんなそれぞれに揺らすこと。なんかゴスペルやってるようなノリである。
コンミスは小柄なアジア人で、名前を見ると日系だった。トランペットは指孔付きを使用。比較してしまってはナンであるが、マドゥフ氏がナチュラル・トランペットであれだけ吹けるというのはスゴイことなのだなあ--と変なところで感心してしまった。
それからチェロがやや迫力不足だった。BCJを聴いた直後では仕方ないか。
全体的な印象としては、スッキリとして簡潔なロ短調ミサだったといえよう。独唱者の一部は「濃厚」な人もいたが。
ただ、やはりこの曲は難しい。テクニック的なことではなくて、受難曲のようなドラマ性はないからである。
ロ短調ミサを聴きながら考えた。心地よさに走れば水のように流れ去り、劇的を強調すれば重苦しい。とかくバッハは難しい。
こんな曲をなぜ作ったか(^^?) バッハ先生のイ・ヂ・ワ・ル
奏楽堂は千人ちょっと入るらしいがほぼ満員だった。フライング拍手は全くなく雅明氏が手を降ろすまで静か。さすが藝大というところか(^^♪
ところで、最後に独唱者たちがにステージの前方に出たが、雅明氏がお辞儀しても彼らは何もしない。2度目に彼に促されて気付いたようにお辞儀した。米国式ではそういうことしないの? それともソロを取ったの初めてとか……なんてことないよねえ。
プログラムの解説にもう少し団員の詳しい情報を載せて欲しかった(年齢構成など)。無料配布だから文句は言えんけど。(と言いつつ文句言ってみる)
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