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2013年6月 1日 (土)

イタリア映画祭2013「リアリティー」:神は電波に存在す

130516
監督:マッテオ・ガローネ
出演:アニエッロ・アレーナ
イタリア2012年

特別上映作品となったのは『ゴモラ』の監督マッテオ・ガローネの新作。これもやはりカンヌ映画祭でグランプリを獲得したとのことである。
もっとも、前作とは打って変わってコメディらしい。さらに、過去に東京国際映画祭で見た人の感想にはあまり芳しくないものもあり、あまり期待しないで見に行った。

2時間弱の上映時間--『ゴモラ』よりは短いが、実の所かなり長く感じた。前作はヤバイ生業の方々がヤバイことをする場面が度々登場するので緊張感が持続したが、こちらは変哲もない庶民の日常が舞台である。沈没しかけても仕方ない(と自己弁護よ)。

で、前評判通りコメディかというと全く違った。笑えないどころか、悲惨な話ともいえる。
イタリアに実際あるらしいリアリティー番組に、のめりこんでしまった男を描いている。この番組の出身者でスターになった男が登場するが、芸というようなものがあるわけではない。そんな芸人に主人公は憧れて予選クラスのオーディションを受ける。

やがて、のめりこみ過ぎてもはや常軌を逸するレベルになってしまう。不合格になっても信じず、TV局の人間がいつも自分をチェックしていると思い込み、「善行」をしようとする。
皮肉なことに、そこまで行くともはや「信仰」に近いものだ。「神が見ているから悪いことはできない」と「TV局が監視しているから悪いことはできない」に、どれほどの違いがあるだろうか。敬虔なカトリック信者らしい老姉妹との会話が内容が完全にずれていながら、ピッタリと合ってしまう場面がそれを端的に示している。

かように辛辣で皮肉なのだが、先に書いたようにいかんせん長い。前段の借金取立て場面なんかはもう少し省略してもいいんじゃないかと思った。
それから、他の人の感想でフェリーニに似ているというのを読んだが、確かにストーリー運びや映像のタッチにそういう所がある。
で、私はフェリーニ苦手なんだよね……

役者はシロートの人が多い? 主人公の親族もさることながら、歯が一、ニ本しかないバーサンなんかどこから連れて来たってなもん。主人公の行動よりも、周囲の地味ながら変テコな親戚や住人たちが笑える。

『ゴモラ』は日本で公開されるまで4年ぐらいかかったが、こちらはどうだろうか。いきなり、CS放送でやったりして(~o~)

ところで、上映開始前に近くの座席で指定席の間違い騒ぎがあった。間違いを指摘された者がなかなか席を移動しようとせず、グズグズしてるのも不思議だが、自分の座席に他人が間違えて座っていると何も言わずに、他の空いている席(もちろん、まだその席の主が来ていないだけだ)に座ってしまうというのも変だ。だって、後から来た人が困るだろうよ。
以前シネコンで私の指定席におじさんが座っているので、間違っていますよと言ったら、そのおじさんも自分の座席に別の人が座られてたらしい。だけど、それを言わずに空いてた私の席に座ってたらしいのだ。変であるよ(?_?)


お笑い度:6点
妄想バクハツ度:8点


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