「ダン・ラウリン、コレッリ・ソナタop.5他」:轟く雷リコーダー、転がる竜巻チェロ、そして篠付く雨鍵盤
ダン・ラウリン再び来たる! 前回はハクジュホールでの公演だった。この時に録音したコレッリのソナタのCDがようやく出たので、その発売記念とコレッリのメモリアル・イヤーだということで同じメンバー(上尾直毅、鈴木秀美)でコンサートをやったらしい。
数年ぶりのラウリンは髪が白くなって恰幅が良くなった? ササッと一人で壇上に登場したかと思うと、M・マレの「フォリア」の編曲版をやおら吹き始めた。
そして、リコーダー一本でそれを吹くかっという怒涛のような演奏で客の度肝を抜いたのであった。
全7曲のうちコレッリは3曲。上尾氏の耳に染み入るチェンバロ・ソロのスカルラッティや、ラウリン抜きでのジェミニアーニのチェロ・ソナタが間に入った。
5-8番ではチェンバロではなくふいご式のオルガンが登場。上尾氏は何回かの公演で使ってるのを見たけど、なぜにふいご式なのか?音が違うのかしらん。
圧巻は後半に演奏されたヘンデルのソナタと、そしてコレッリの「フォリア」だと言っていいだろう。
ラウリンのパワーあふれる、音が連なり押し寄せてくるリコーダーに対し、鈴木秀美のチェロもまた一歩も譲らず。ヘンデルではまるでチェロの音が小さい竜巻となって彼の周囲で幾つも発生しぐるぐると回っているような場面があった。
フォリアの終盤ではチェロの腕の見せどころ、いや聞かせどころの部分が設定されているがそこでもまた圧倒。最初のラウリン独奏のマレに対応するように、ここまで演るかーっと思わせるほどに音と技巧を凝縮させ詰め込んでいた。
「フォリア」でこんな激越なチェロを聴いたことは一度もないっと断言しちゃおう。
配布されたプログラムにあったヒデミ氏の文章では、
「資料として残っているその装飾を守って演奏する人もいるわけですが、それでは自分で装飾をしているとは言えないことになります。またダン・ラウリンが言うように、当時のものとはいえ、アマチュアやさほど程度の高くない奏者を想定して書かれた(でなければ売れない)装飾を、なぜプロフェッショナルな奏者が踏襲しなければならないのか、という面もあります」
こ、これは……同業者及び聴衆への挑戦状かっ(@∀@;)
その言葉にたがわぬ演奏を聞かせてもらいました
ところで、会場は教会だから当然段差はない。で、最前列に座った人がやたら途中で大きく身体を動かすのである。すると、奏者が見えなくなるもんだから私の前列の人がまた身体を動かす。すると、私も見えなくなってしまうのでまたまた動かす……という連鎖反応が延々続いたのであった。
ということで、最前列に座った人はじっとして動かないようにお願いします(^O^)
今回はなぜか満員御礼という程の入りではなかった。チョイ悪おやじ風ラウリンが大々的にフューチャーされたケバいチラシが悪かったのかしらん
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コメント
あっ、すみません、最前列でのお邪魔虫は私だったかもしれません。m(__)m
丁度チェロとオルガンの目の前の最前列にいました。今回ダンちゃんの奇跡のフィンガリングを拝みたくて最前列に陣取ったのですが、アーティストの皆さんのノリについ反応してしまいました。以後気を付けますので、お許しくださいませ。
投稿: クネヒト | 2013年7月 3日 (水) 13時14分
あ、どうも(^^ゞ
でも演奏にノッて動くという感じではなかったので、違う人かもです。
確かに「奇跡のフィンガリング」でしたなあ。
投稿: さわやか革命 | 2013年7月 4日 (木) 06時19分