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2013年6月22日 (土)

「オリクスとクレイグ」

130622
著者:マーガレット・アトウッド
ハヤカワ書房2010年

ウィルスによって人類はほぼ死滅状態となり、凶暴化した遺伝子操作の生物が跋扈する近未来を描く。
その世界はケバケバしく毒々しく危険である。もっとも、それはただ一人生き残った主人公にとってであり、新たなる人類である「子どもたち」を見れば牧歌的に美しく思えるかもしれない。

主人公の切れ切れの回想から、どうして世界がこんなことになってしまったのか、その経緯が浮かび上がってくる。
異世界と化した強烈な日常描写は変な生物がいっぱい出て来て、映画化したらCGで表わすのにうってつけだろう(主人公にはなんとなくトム・ハンクス推奨)。
だが、映像化は恐らくされないだろう。原著は十年前に書かれているが、この中で破滅の予兆として描かれている遺伝子操作のテクノロジーの幾つかは、昨今のニュースで実用化が伝えられているからである。

この物語は三部作として構想されているらしい。二作目は既に出ているが未訳。最終巻は書かれていないようだ。
著者の作品は『侍女の物語』ぐらいしか知らないが、他のも読んでみたくなった。


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