バッハ・コレギウム・ジャパン第103回定期演奏会:キャスティングの勝利
世俗カンタータシリーズ 3
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2013年7月26日
今回の世俗カンタータは「大学教授めでたいな\(^o^)/」特集であった。つまり知り合い、あるいは知り合いの知り合いな大学教授を祝うためにバッハ先生が作って演奏した作品である。
よって、宗教曲のようなシリアスな部分はなく、前半後半一曲ずつ気軽に聞ける内容となっております。
「響き交わす弦による 一致する不一致よ」は28歳という若さでライプツィヒ大学の教授となったコルテという人物の就任祝いのための曲とのこと。
もっとも「飲めや歌えや
」みたいな調子ではなく、「名誉」やら「感謝」といったキャラクターが現われてヨイショしつつ祝辞を述べるというものだ。途中では「ブランデン」のお馴染みの旋律が出てきたりもする。
合唱に続けて登場するテノールはヴォルフラム・ラトゥケという歌手でBCJでは初登場だろう(多分最近記憶が怪しくなってきて(^^ゞよく覚えてない)。軽妙で明るい声質の人であるが、曲に合わせてるのかは不明。
冒頭だけでなく合間にもマドゥフ組のトランペットが登場してめでたさを朗々と吹いていた。
もう一曲の「鎮まりしアイオロス」は数年前の20周年公演でもやった曲だった。
こちらは曲の中でお祝いされる主賓のミュラー先生の名前が連呼されるという、メデタイ度がかなり高い。もっとも、この先生がどういう理由で祝われたのかは今もって不明である。
平尾雅子のガンバと若松夏美ヴィオラ・ダモーレが共演する西風のテノール・アリアは、やはりしみじみと嘆きを歌い上げていた。
果実と花の神は女神ではあるが、アルトなのでロビン・ブレイズ担当。もちろん強硬な風の神に対して「吹き飛ばされちゃう(><)イヤ~ン」などと媚びることなく、ごく真っ当に歌ってましたよ。
風の神を懐柔する女神パラスは前回と同じくジョアン・ランで、聴衆も懐柔されちゃうのは間違いないところだろう。
そして肝心のアイオロスはロデリック・ウィリアムズ。これがまた堂々の神様ぶりで、トランペット3本、ホルン2本、ティンパニ1台背後に従えて遜色なしの力強さだった。そのアリアの時は、なぜだか巨大な波がドドーンと押し寄せ、頭上に大漁旗が翻っているような脳内イメージが浮かんだのであったよヾ(^^)/\(^^)ヾ
ということで今回はピッタリなキャスティングの勝利によって、前回の演奏よりもさらに盛り上がったといえよう。
ただ、近い席に長くブラボーを引き延ばして何回も叫ぶ人がいて、長過ぎブラボーはフライング同様に野暮の極みと言いたくなった。
この日は出張で、しかも終わってから一度職場に戻らねばならなかったのだが、なんとか間に合った……( -o-)ホッ 後半しか聞けないかと思ったですよ
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