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2013年8月 7日 (水)

スティーリー・ダン初期ライヴ盤発売

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アルバム・タイトルは「Going Mobile」という。ジャケットに1974年にラジオ番組のために収録されたと書いてある。「プレッツェル・ロジック」を出した後のツァー中のものらしい。
初期中心メンバーの他に、ジェフ・バクスター、マイケル・マクドナルド、ジェフ・ポーカロなど豪華サポート陣のクレジットも入っている。
音はいいとは言えない(聞けないほどではないが)。曲によってギターの音がよく入ってなかったりする。

なぜ今頃こんな昔のライヴが出たのだろうか? しかも海賊盤というわけではないようだが、公式盤とも思えない。こんな音ではあの二人が認めないだろう。
恐らくは、この録音については契約関係で何かあって彼らに権利がないのかも知れない。
というのも、今を去ること十ウン年前(四捨五入すると二十年)に、やはり同時期のツァーのものと思われるライヴ盤を買ったことがあるのだ。
これまた海賊版にしては大規模に堂々と売られていた。アレンジも曲目もほとんど同じであり、多分今回出たヴァージョンの別の日の録音だろう。ギターの音がよく入ってないのまでそっくりだ。
ただし音はもっと悪いし、ジャケットのデザインもひどいもんである。でも、全体的なノリはこちらの方が若干いいかも知れない。

かつて「スティーリー・ダンは、最初の頃は演奏が下手なんでほとんどライヴをやらなかった」という説が流れていたが、昔出た方のライヴ盤を聞いた時それが全くの嘘であることを知った。
アルバムでは極めてクールな印象の彼らだったが、ライヴでは全く異なる。「菩薩」の狂躁的なまでのノリ、原曲よりもさらにブルース色濃厚な「プレッツェル・ロジック」の盛り上がりなど、彼らについてのイメージを完全に見直したのだった。

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従って、初期の頃のスティーリー・ダンに興味がある人は聞いてみる価値は大いにあり、だろう。ただ、その後の洗練されたサウンドが好きな人は必要なし。

←昔出た方のジャケット。

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