「王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件」:唐版X-ファイル
監督:ツイ・ハーク
出演:アンディ・ラウ
中国・香港2010年
*テレビ放映
お久しぶりな感のあるツイ・ハーク。一時期は彼の監督作をよく見たものだったが、そもそも香港映画自体の公開本数が減ってきたのと、韓国映画の隆盛もあって見る機会がなかなかなかった。
この作品も日本で公開された時に気にはなったが、あっという間に終了。それに邦題がよくないのも追い打ちをかけた。これでどういう内容なのか分かる人は少ないだろう。そもそもどこが舞台でいつの時代の話なの(?_?)
ただし、これは原作があってサブタイトルはそのまま訳しているようだ。オランダ人が書いた唐時代を舞台にした探偵もので、日本でもハヤカワ・ポケミスから出版されてたらしい。(今はほとんど絶版状態か?)
主人公の判事ディーはなんと実在の人物だという。しかし「DETECTIVE DEE」だと「刑事」とか「捜査官」じゃないのか? それとも大岡越前みたいな人物なのか。
それはともかく、自国の歴史上の人物を西洋人が描いた小説をさらに自国で映画化するという捻じれたいきさつの作品なのである。
そんないきさつをそのまま反映したかのように、香港アクションをパクって発展させたハリウッド映画をさらにパクり直したような作りの映画である。
目指せ中国初の女帝という勢いで即位の日を待つ改革派の則天武后をおびやかすような怪事件。武后と対立して牢獄に放り込まれた判事ディーが謎の解決のために呼び戻される。
謎の真相自体は大したものではないが、アクション攻勢はこれでもかというてんこ盛り。『マトリックス』もどきあれば、『ホビット』……はまだ後の製作だから『ロード・オブ・ザ・リング』もどきあり。これぞ必殺パクリ返しの技が炸裂である。
ただ、往年のツイ・ハーク作品のような口アングリ感や興奮はなく、大仏が倒れるかもという話にもかかわらずスケールの大きさがあまり感じられなかった。
どうせなら、この主人公でTVミニシリーズにしてくれたら面白いかも。そもそも原作がポケミスで出るぐらいなんだから、もっと謎解き要素を入れられるのではないかね。
ツイ・ハークの監督技と主役のアンディ・ラウはあまり冴えず。則天武后に仕える側近役のリー・ビンビンは超が付く美人 その美しさの秘訣をぜひともお聞きしたいものですわ(*^o^*)
人体発火:4点
大仏崩壊:5点
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