「慈しみと希望のコンソート」:巨匠来りて調和を弾く
演奏:ヴィーラント・クイケン&ザ・ロイヤル・コンソート
会場:横浜みなとみらい小ホール
2013年9月22日
約一週間の間にサヴァールとW・クイケンのガンバ二大巨頭がコンサート(!o!)とは、日本はどんだけガンバ大国なんだってな状況である。
もっともクイケン兄弟は福岡の古楽祭で来日していて、あわせて色々と活動しているようだ。
そのせいかチケットが瞬殺完売となったサヴァールと違って、この日の入りは会場の70%未満という印象だった。演目が地味という理由もあるだろう。
ホールは真ん中あたりの席でもガンバの音が充分聴けそうだった。しかしあえて前の方の席に座った(そのためにサイドになってしまったが)。奏者たちを間近に見たかったからだ。
ロイヤル・コンソートは通常、上村かおりがトレブル・ガンバを弾くが、この日はずっとW・クイケンが担当していた。他のメンバーは曲によって出たり引っ込んだり休んだり。全員そろったのはアンコールの時ぐらいである。
タイトルが「慈しみと希望の」となっているのは、前半と後半の冒頭曲がそれぞれストーニングという作曲家の「ミゼレレ」、こちらも知らない作曲家パースリーの「われらの希望」から取っている。そしてそれぞれローズの組曲で締めるという構成になっている。間を埋めるのが様々な作曲家の「イン・ノミネ」や「ファンタジア」だ。
配られた解説の中の「個々の感情よりは、普遍的なものへの賛美を芸術で表現しようとした時代の音楽」という上村かおりの文章が特質をよく言い表していると思った。
コンソート作品の演奏というものはそもそもそうなのだろうけど、これまでもメンバーのゆらりとした調和と流動を楽しんできた。この日はクイケンの参加によって、さらにグループの親和性が高くなっていたように思う。
アンコールのパーセル(←だよね)までそれは続いていた。
客は驚くほどに業界人--演奏家や学者などが多かったもよう。振り向けば「あっ、あの人だ」状態である。さらに「また明日ね」などという挨拶が交わされていて、これは翌日のBCJ--じゃなくて「日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会40周年フェス」のことらしかった。
このホールは初めて来たが、駅から直結していて来やすくていいですな。ただ一階に散々並ばせといて(自由席だったので)エレベーターに乗ったらその順番がチャラというのはどういうことよ(~_~;)
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