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2013年11月18日 (月)

「眠れる美女」:眠れぬ夜と目覚めぬ昼

131118
監督:マルコ・ベロッキオ
出演:トニ・セルヴィッロ
イタリア・フランス2012年

正直言ってかなり分かりにくい映画だった。
2009年にイタリアで実際にあって大騒動となった安楽死(尊厳死というのか)についての裁判をめぐる3つのエピソードが並行して描かれる。
国会で尊厳死を阻む法案に賛成するかどうか迷っている議員とその娘。同じく昏睡状態にである娘を献身的に看病する女優とその家族。そして自殺未遂を繰り返して病院で眠り続ける女と医師。

当時のイタリアの社会状況、生と死に関する概念、宗教観などを知らないと理解できない部分が多い。
また、議員の娘と謎の兄弟の関わりをかなり時間を割いて描いているのも解せない。これを重視しているということは、テーマは生死ではなく、ケアというものについてではないかとも思えた。

医師と自殺願望の女の話は、恋愛関係にならなければ自殺を止めることもできないのかと思うと、見ていて却って憂鬱になってしまった。あと、彼女が「美女」じゃなくてブサイクに女だったら--とか余計な考えも。
3つの物語は有機的につながっていると見る人もいるだろうが、そう解釈できない人間にとっては散漫にしか見えない。

結論としては--眠っている人間より覚醒している人間の方が手におえないってことだろう。

女優を演じるイザベルユペールは冷酷な聖母のようである。
議員が国会で待機している場面(なんと議院内に大きな風呂がある!さすが『テルマエ・ロマエ』の国か)については、『イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男』を意識しているようだ。こちらの作品にも議員役のトニ・セルヴィッロが出ていた。


睡眠度:7点
覚醒度:採点不能


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