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2013年12月

2013年12月31日 (火)

2013年を背負ってみる

余裕がなくてブログに書くべきことも溜まってしまう一方の一年でした。
こういうのもトシが関係してんのかね(+_+)

◆古楽系
☆公演
「コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ全曲」(大江戸バロック)
イタリア過激派にも負けず。
「受難のレスポンソリウム」(コントラポント)
若手によるジェズアルドは新鮮new
「ジョングルール・ボン・ミュジシャン 都電荒川線ライブ」
次ははとバスでスカイツリー前でゲリラライブをbomb その次は皇居前とか官邸前とか……逮捕されちゃう(>_<)
「ダン・ラウリン、コレッリ・ソナタop.5他」
急逝した大滝詠一の「みんなみんな吹き~飛ばせ~typhoon」なんて歌を想起させるような迫力であったよ。
モンテヴェルディ「オルフェオ」(静岡芸術劇場)
全体の出来はともかく、辻氏のオルフェオを舞台で聞けてヨカッタ。
*エンリコ・ガッティの二夜(ハクジュホール王子ホール

*通奏低音賞:「福井美穂 バロックファゴット・リサイタル」
*デレツン(ツンデレならぬ)賞:野々下由香里(ヘンデル「アルチーナ」でのタイトルロール)

☆よく聞いたディスク
*「デュ・コーロワ」(デュース・メモワール)
新作ではなくて長いこと積ん読ならぬ積ん聴状態だった。アンリ4世のためのレクイエムと聖俗歌曲集の2枚組。特に前者のポリフォニーが陶酔的までに素晴らしい。

*「ロベール・ド・ヴィゼーのリュート音楽」(佐藤豊彦)
老リュートのグライフの音がしみ入ります。

*レグレンツィ「怒りの日」(リチェルカール・コンソート)
このディスクを聞くまでレグレンツィって知らなかった\(◎o◎)/!

◆ロック・ポップス
*「サンクフル・アンド・ソウトフル」(ベティ・ラヴェット)
扇情的なギターがたまりません。アンタイ・レコードって何気に話題盤出してますな。

*「哀愁のバージニア」オリジナル・サウンド・トラック(ニック・ケイヴ&ウォーレン・エリス)

期待してたのにガッカリしたのはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインとウォッシュト・アウトであった。

◆本
*「皆勤の徒」(西嶋伝法)
感想書こうと思っているのだが、なかなか書く暇がない(T_T)

*「アル中病棟 失踪日記2」(吾妻ひでお)
ジャンル、メディアを問わず表現の極限作としかいいようがない。しかし内容自体はノホホンとしているのだから不思議。

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2013年12月29日 (日)

「42 世界を変えた男」:直球勝負でクセ球なし

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監督:ブライアン・ヘルゲランド
出演:チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード
米国2013年

プロ野球は見ないし大リーグについては完全無知であるが、差別と闘った歴史的選手ジャッキー・ロビンソンの物語ということで見に行った。
ハリソン・フォードはドジャースのジェネラル・マネージャーでなんと初めての「じーさん」役らしい(!o!) で、大リーグで史上初の黒人選手を起用しようとするのだが……。

何せ公民権運動以前なので、南部ではトイレが分かれていたような時代である。(もっとも地域によってかなり程度の差があったというのは初めて知った) 選手になるまでも大変だが、なってからもさらに大変だ。
ホテルでは宿泊拒否、チーム内のいざこざや、試合での野次やら罵声やら……と苦難が描かれる。しかし、ロビンソンはブチ切れそうなpunch思いながらもひたすらじっとガマンの男であった。

全体のトーンは正統派「偉人伝」の枠をはみ出すことなく、「差別と闘った男」というよりは子どもの頃に読んだ「野口英世物語」みたいな印象だった。監督が担当している脚本は、あまり波風立つことなく平穏路線である。これを見て、かの地のブラザーたちがどう思うかは分からない。
現在全球団でロビンソンの背番号を永久欠番にしているというのは、野球選手としてさぞ偉業を打ち立てたのだろうが、その凄さはあまりシロートには伝わってこなかった。
もっとも、試合での盗塁や滑り込みの場面はかなりの迫力である。CGを駆使しているのだろう。

フォードじーさんはクセのある男の役で、いい所shineをすべてさらって行った感がある(一応、助演のはずだが^^;)。
主役のチャドウィック・ボーズマンは目が大きくて愛嬌がある。ウィル・スミスの後釜あたりを狙えるかも。奥さん役のニコール・ベハーリーもキュートで好印象。お二人とも今後の活躍に期待したい。
一方、素行不良の監督役で途中退場のクリストファー・メローニはますます額が後退して、今後が心配である。
音楽はちょっとあおり過ぎだった。

とはいえ、自国の差別の歴史を偉人伝テイストにしろ堂々と描いてしまうのはやはり大したもんであるよ……(ーー;)


ストライク度:7点
隠し球度:4点

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2013年12月26日 (木)

「光のない。(プロローグ?)」:生者は誰か

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フェスティバル/トーキョー13
作:エルフリーデ・イェリネク
演出:宮沢章夫
会場:東京芸術劇場シアターウエスト
2013年11月30日~12月8日

この前に見たチェルフィッチュとは正反対の舞台だった。同じく女性だけが登場し、大震災に関連して書かれた作品ではあったけど。
イェリネクが3.11に触発されて書いたという『光のない。』シリーズはこれで3作目になるようだ。3作目に至って「プロローグ」とはこれ如何に(^^?)
何せ難解が斧とナタを背負っているような彼女の芝居である。さらにこのシリーズでは明確なストーリーもない。通常のアプローチでは到底、無理無理無理……danger

この芝居では5人の女優が登場し、それぞれ台詞を喋りながら家庭の日用品のようなこまごましたものを床に置いたり動かしたりしていく。ただでさえ分かりにくいのを、マイクで部分的にエコーをかけたり、他者の言葉に呼応したり、無関係に同じフレーズを繰り返したりする。

元の戯曲も文章が意味不明につながったりしているようなものらしいが、さらに宮沢章夫が書き加えたり単語をバラバラにしているとのこと。
しかし、それらは何かの意味があるように聞こえることもあるし、震災の状況を具体的に語っているようでもある。動作の方も突然、みんなでつかみ合ったり押し合ったりもする。

見ていて、それらの訳ワカラン台詞を発語し続ける女優さんたちの力量に感心した。一方、試され続けていたのは客席の方である。チェルフィッチュの時よりもさらに若い年代層で埋められていたのだが、襲い来る眠気虫にバタバタとやられ……(-_-)zzz
イェリネクの敵は体制でも秩序でもなく、眠気虫であったかsleepyてなもんである。
かくいう私も眠気虫にとっつかまれた--ところを、他の客と同様に、突然鳴り響いたパンクロックのギターの轟音punchでハッ(!o!)と目を覚まし、薄暗いステージ上で役者たちが髪振り乱して踊っているのを眺めたのであった。

最後に一度片づけられた日用品がまた並べ直され、加えて張られたロープに衣服が干されたのを見て、私はこれは津波の後に残された品々で、泥や汚れを落として乾かしているところだろうかと思った。ニュースで似たような場面を見たことがあったのだ。

そして、解説の冊子に書かれていたそうなのだが(私は事前に読む暇がなかった)これは能の舞台を模しているそうなのである。確かに役者たちはすり足で入退場するし、舞台の形状も似せている。
それを後から知って、初めて登場人物は一人を除いて死者(震災の)だということが分かったのだった。

もはや聞く術のない人々の言葉を聞いた。それは論理的でもなく感情的でもなくただの固まりとしてである。--そんな気分になった。

宮沢章夫の芝居はウン十年ぐらいに一度見たが、それ以後ご無沙汰していた。他の舞台もみたくなったかというと、そこはビミョ~(^^ゞである。


さて、今年度のフェスティバル/トーキョーが終了後に突然、全体を仕切っていたプログラム・ディレクターの辞任が伝えられた。急なことだったのと、発表された理由が理由にならないようなものだったため、各所に憶測が巻き起こった。
さらに彼女の擁護派と批判派が入り乱れ……都知事も辞職しちゃったし、どうなるんですかねsign02


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2013年12月23日 (月)

「コントラポントと祝う楽しいクリスマス」:管楽器4本でメデタサ4倍

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ドイツ・バロックの豪華なクリスマス音楽
演奏:花井哲郎+コントラポント
会場:渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
2013年12月15日

恒例のコントラポントのクリスマス公演である。今回はドイツ・バロックで大人数の合唱はなく、少人数での演奏となった。
後半がシュッツを4作品で固めたのに対し、前半は同じくドイツ三大Sのシャイン、シャイト、そしてプレトリウス、ハンマーシュミットという構成である。

声楽7人、器楽10人(一人は歌手兼任sign01)という小規模ながらツィンク(コルネット)、サックバット(トロンボーン)が入っているので極めて華やかな響きがある。いかにもメデタイなxmasという印象である。
特にこの二種の管をナマで聞いたのは久し振りだったので、新鮮に響きウットリと聞いてしまった。

一番の目玉だったシュッツの「イエス・キリスト降誕の物語」は、テノールの谷口洋介が福音書家役で語り、様々に編成を変えて誕生の物語を歌う。クリスマスにふさわしい演奏だった。

次回は若手の歌手たちによるパレストリーナとのこと。過去にジェズアルドの公演をやって、それがとてもよかったのでぜひ行きたかったが、なんとBCJのミューザ川崎「ヨハネ受難曲」と重なっているので不可能なのであーる(T^T)クーッ

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2013年12月17日 (火)

チェルフィッチュ「現在地」:目覚めよと、呼ばわる声があってもなくても

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フェスティバル/トーキョー13
作・演出:岡田利規
会場:東京芸術劇場シアターイースト
2013年11月28日~12月8日

昔あれほど見た芝居も今ではすっかり新しい劇団を探す元気も減少して、ほとんど行かなくなってしまった。
従って、チェルフィッチュという劇団も初めてである。見ようと思ったのはこの作品が原発災害を題材にしているとのことからだった。

なんとも奇妙な芝居である。7人の女たちが登場して学校の教室のような机と椅子が並んでいる所に、バラバラに座る。物語に登場していないときも退場することなく、そのまま他の人物の演技を眺めている。

田舎の小さな町(村?)である夜、青い光を放つ雲が目撃される。それをめぐって町の住人の中に何かが広がっていく。

驚いたことに役者のセリフはほとんど棒読み状態である。しかもそのセリフ自体が何やら一昔前の翻訳小説のようで、回りくどくてとても話し言葉には思えない。しかも、必ず語尾に「……だわ」とか「わよ」を付ける。
役者の表情は曖昧かさもなくば無表情で、喋りながら身体はストレッチのような動作を緩慢に行うのだった。

同じ話題を話していても同じことを話しているわけではない。同じ方向を見ていても別のものを見ている。小さな共同体にぼんやりした亀裂が生じていく。それは修復不可能である。そのような状態を描いているように思えた。
そして複数の「事実」が生じて完全にバラバラになる。

そんな不穏な状況を示してみせた芝居であった。
もっとも、私はぼんやりしてて劇中劇がどこからどこまでかよく分からなかった。もしかして理解してない?(@_@;) とにかく面白くなろうとすることを拒否しているような作品だった。
この劇団は普段はもっとリアリティある芝居をやっているようだけど? 他のも見てみたくなった。

終演後はアフタートークあり。岡田利規と映像作家(名前失念)が登場した。二人とも震災後に九州へ移住したという。
初演は一年前だったが、その時は観客がもっとピリピリイライラしていたそうだ。今は冷静になっている。作品がよく受け止められているということで嬉しいが、一方で東京はどういう状態なのか?とも思う--とのこと。(内容は不正確です)

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2013年12月15日 (日)

「コンチェルト・デッレ・ダーメ」:三人寄らずとも文殊の声

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3つの声が織りなすプリズム
演奏:鈴木美登里&野々下由香里
会場:ハクジュホール
2013年11月29日

「コンチェルト・デッレ・ダーメ」は「17世紀にフェッラーラで活躍した3人の歌手達」のことだという。
で、現在の日本において鈴木美登里・野々下由香里・波多野睦美の3人がそれを再現。すわっ!日本古楽史上最強の女声トリオが誕生かfuji……と大いに期待したのであーる。

当日、会場に行ったらなんと波多野睦美が休場のお知らせがあったのだimpact 実はメールでも来てたんだけど、全然チェックしてなかったのよ(^^ゞ
波多野さんは一週間前の北とぴあ音楽祭、『フィガロの結婚』の二日目で声が出なくなってしまって代演を立てたという話は聞いていたのだが、まだ復活できないとは。相当に具合悪かったのかしらん--などと心配してしまった。

当然のことながら演目も三重唱はカットで、デュエットとソロの曲ばかりに変更になった。あまり時間もなかっただろうから大変だったでありましょう。
ロッシ、ストロッツィ、モンテヴェルディなどお馴染みの曲あれば初めて耳にするものあり。二人のそれぞれの個性の違いと融和を楽しんだ。
あとお二人ともお衣装のドレスが素敵でしたわよ(*^o^*)

合間に後方を支える鈴木秀美&上尾直毅のそれぞれソロ演奏が一曲ずつ入った。ヒデミ氏はずっとリラックスした表情で弾いてたが、ラストのモンテヴェルディ「西風はまた戻り」に至っては、一緒にフンフ~ンnotesと鼻歌でも歌いそうな様子で思わず見ていて笑ってしまった(^O^)

鈴木&野々下ペアについては過去にこの公演でも聞いているので、やはり三人揃って是非再度お願いしたいもんである。

それにしても客の女性率が高いコンサートだった。娘さんからオバサン、オバーサンで満杯fullの中に男性がチラホラという感じである。


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2013年12月 9日 (月)

「恋するリベラーチェ」:クローゼットの後ろで

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監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:マイケル・ダグラス、マット・デイモン
米国2013年

リベラーチェは実在のピアニストで、ド派手な衣装とパフォーマンスで人気だったらしい。アカデミー賞授賞式で演奏するエピソードが出てくるほどなので、当時その音楽を耳にした事ぐらいはあるはずと思うのだが、全く記憶にない。多分、完全に私の音楽的守備範囲から外れていたのだろう。

彼は隠れゲイで、その豪華な邸宅には若い男を住まわせていた。その男の回想記が原作である。
--というと、なんたる三面記事話down、安手の芸能ニュースネタeyeだろうか。しかし監督がソダーバーグでリベラーチェがマイケル・ダグラス、青年がマット・デイモンという豪華組み合わせshineとなると、見に行かずばなるまいよ。
そして、見に行った価値はあった(*^^)v

M・ダグラスのおネエ芸満開\(^o^)/ もう一目見て一言喋ったのを聞けば、すべて了解ok状態になれます。
対するにマット・デイモンは、登場時はツルツルピカピカしていて(おまけにワキ毛付き)ゲイ雑誌の表紙に直行できる若者を体現。彼だってもういい歳なはずだから、こりゃ大したもんだ。

彼はお世話係も兼ねて尽くし、望みに応じて整形までする。しかし、ゲイの花の命は短くて……7年経てばいつしかリベラーチェの視線は別の若い男へ(+o+)

後半は二人の痴話喧嘩話が長々と続くので恋愛ものの類が苦手な私はちょっと辟易したが、ラストはしみじみと感動できたのですべてよしfullである。
それと、画面に横溢するキンキラリ~~ンとしたゲイテイストに圧倒されるのは請け合いだろう。
ただ、物語の基調は多情な中年男に翻弄された若者--みたいになっているが、実際には片方は亡くなっているので死人に口なしで、事実はどうだか分からないという意見も見かけた。

この作品は米国の映画館で上映しようとしたらしいが、内容が内容だけに公開できずTV放映となった。今年のエミー賞では幾つか受賞。もしロードショー公開されていれば少なくともダグラスとデイモンはアカデミー賞候補の下馬評に上がっていたのは間違いない。
ハリウッド映画は穏当化、過激な内容はTVでという流れ(この作品も同様)は変わっていないようだ。
なお、同じくHBO製作でやはりエミー賞にノミネート作になんとフィル・スペクターの伝記映画があった。こちらはD・マメット監督でヘレン・ミレン出演。こっちも見たいぞ。公開お願いしまーす(^人^)

音楽担当はお懐かしやマーヴィン・ハムリッシュ。これが遺作となったらしい。そういや、彼の名前をしばらく耳にしていなかったなあと思ってチェックしたら、十数年間少なくとも映画方面では仕事してなかったようだ。

ところで、同じような境遇のミュージシャンがいたなあと、もう少し後の時代のエルトン・ジョンを思い浮かべた。彼は身体的コンプレックス(チビ・ハゲ・デブ)を抱えつつも、天分を発揮し飛ぶ鳥を落とす勢いの大人気を博したが、ゲイであることはなかなか公表できなかった。公然の秘密状態でみんな知っていたにもかかわらずである。若い女性歌手を「婚約者」とし、彼女とデュエット曲を出すなどしていた。
やはり当時の状況では難しかったのだろう。現在でもスポーツ選手は厳しいpunch状況とのことだ。


おネエサマ度:10点
痴話喧嘩点:5点

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2013年12月 7日 (土)

「バッハと「ヴェネツィアの音楽」」:マッカートニーにも負けず、ベルリン・フィルにも負けず

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演奏:エンリコ・ガッティ&グイド・モリーニ
会場:王子ホール
2013年11月22日

ガッティのためなら連チャンもいとわず\(◎o◎)/!
というわけでやって来ました王子ホール。世間ではP・マッカートニー来日noteとか、有名海外オーケストラ公演notesなどで盛り上がっていたが、それとは全く無縁なのであ~る。

この日は他の都市での公演と共通プログラムである。バッハの名がタイトルにあるが、純粋なバッハ作品は2曲だけだった。
モリーニがソロで弾いた2曲はそれぞれマルチェッロとヴィヴァルディの協奏曲を鍵盤用にバッハが編曲したものである。彼のチェンバロ・ソロは通底を引き受けている時は気付かなかったが、かなり奔放でクセがあるのだと分かった。

他にやったのは、ボンポルティの「インヴェンツィオーネ」。なんと19世紀末までバッハ作だと思われていたという。第3楽章のアリアが哀愁に満ち感情のこもった演奏だった。
ベルターリの「チャッコーナ」は実のところアンコールを除けば一番の聞きものだったか? ガッティの演奏は流動する水のように勢いがあって力強く瑞々しい。

肝心のバッハ作品はというと、これまで聞いたことのないようなバッハであったのは間違いない。少なくとも「バッハらしいバッハ」ではなかった。それをもって否定的な意見が出るかも知れない。
さらに「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ」はともかく、原曲がオルガン用の「トリオ・ソナタ」となると、なんだか落ち着かない気分になってしまった。
これは3声のうち2つをモリーニがオルガンで担当した。しかし、どうも音的にはチェンバロの方が向いてたような気がする。ヴァイオリンとオルガンの音が互いにツルツルと滑ってたように思えた。
もっとも、バッハをいかにもバッハっぽく弾かないというのが、このコンビらしいと言えば言えるかも。

アンコールは3曲で、最初にガッティが「皆さん、私には日本に友達が大勢います……」みたいなことを言った所までは分かったのだが、その後何を喋ったのか全く聞き取れなかった(かなりイタリア訛りが強い?)。
ネットで伝わってきた話によると、しばらく前に亡くなったチェンバロ奏者の芝崎久美子に捧げると言ってたらしい。後日の公演では涙目になっていたとか。
そして演奏したのがシュメルツァーの「チャコーナ」で、なるほど強固な意志の感じられる力の入った演奏だった。
続いて、ヘンデルのソナタ、そしてコレッリの5の10番を再び。またも続きを聞きたい気分になったまま終了した。

また別プログラムでの再来日を望むです(ToT)/~~~


【関連リンク】
《チェンバロ漫遊日記》
芝崎久美子との共演の写真あり。この公演は行ったはずなのだが。確か田端文士村だったかな?


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2013年12月 3日 (火)

「”アッシジのコレッリ”世界初演」:もっと汁を!

演奏:エンリコ・ガッティ&グイド・モリーニ
会場:ハクジュホール
2013年11月21日

皆さま、毎度のことながらお騒がせいたしますm(__)m

ガッティ来た来たキタ━━━('∀'≡('∀'≡'∀')≡'∀')━━━━!!!!!!

コレッリ・イヤーなのにバッハで来たーっ━━━━('∀';)━━━━ !!!

その後バッハだけじゃなくてコレッリもキタ~~!ヽ(^∇^*)ノ
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というわけで追加公演のコレッリでガッティなのであります。
しかし会場へ着いてみると寂しくも6~7割の入り。翌日の王子ホールは完売だというのにねえ……。公演のアナウンスがかなり遅れたせいでありましょうか。
まあ、座席は狭いが音はいいハクジュホールなので文句は言うまいよ。

コレッリと言ってもかなり特殊な作品である。なんと10代前半の彼が作曲したもの。しかも、アッシジの聖フランチェスコ教会で340年以上眠り続けてきた未出版の手稿譜として発見されたのだという。
10月末にコレッリ没後300年記念の学会でお披露目演奏予定とのこと。それに先駆けての「世界初演」fujiなのである。
従って、コレッリ新作発見(!o!)と思わず興奮と、10代で作曲(?_?)という不安が微妙に交錯するコンサートなのだった。

構成は新発見の全12曲に加えて、前半後半の終わりに個別に出版されたらしいソナタを3曲演奏するという形だった。
新曲はそれぞれ短くて、二人は間もあけずに次々と演奏していく。前半は30分強であっという間に終わってしまった。
曲自体はシンプル過ぎる素材をそのままゴロゴロと切っただけのものを、ガッティがかなり手を加えて味をつけダシを入れて苦労して料理に仕上げたという感が強い。なんかまだ味がしみとおっていない印象だった。

その証拠にアンコールでやったソナタ集5番の10は、噛みしめるとダシのきいた煮汁がジュワ~っとspa染み出てくるようだった。客席から「そのまま第2楽章をやって欲しかったなあ」という声も上がるほど。

ガッティの演奏自体は、相変わらずあの独特のこもったようなまろやかなようなそれでいて生のエネルギーに満ちた音でナマで聴ける喜びをヒシと感じることができた。
後半の終盤は空気が乾燥しているせいか、しきりに調弦していて大変そうだった。しまいには楽章ごとにやっていましたな。

久し振りに見た彼は、もともと大男なのに前回見た時よりも横幅が増量しているように見えた(モリーニの方はスリムなのだが)。しかも髪も白くなってきたようで……(^^;
このまま行くと、あのフライドチキンのおぢさんに似てきそうなイヤ~な予感である。
アンコールの曲名の掲示は、かなり乱暴な字でアルファベットの方は読み取れず数字しかわからないような状態。ご本人があわてて書きなぐったのかね(^^?)

【関連リンク】
ブログ記事に書いた過去のガッティの公演。
今は亡き目白バ・ロック祭りその1
目白バ・ロック祭りその2 ←なにげに豪華な組み合わせであったのう(゜-゜)
目白バ・ロック祭りその3
アッコルドーネ「歌と魔法」

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