「42 世界を変えた男」:直球勝負でクセ球なし
監督:ブライアン・ヘルゲランド
出演:チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォード
米国2013年
プロ野球は見ないし大リーグについては完全無知であるが、差別と闘った歴史的選手ジャッキー・ロビンソンの物語ということで見に行った。
ハリソン・フォードはドジャースのジェネラル・マネージャーでなんと初めての「じーさん」役らしい(!o!) で、大リーグで史上初の黒人選手を起用しようとするのだが……。
何せ公民権運動以前なので、南部ではトイレが分かれていたような時代である。(もっとも地域によってかなり程度の差があったというのは初めて知った) 選手になるまでも大変だが、なってからもさらに大変だ。
ホテルでは宿泊拒否、チーム内のいざこざや、試合での野次やら罵声やら……と苦難が描かれる。しかし、ロビンソンはブチ切れそうな思いながらもひたすらじっとガマンの男であった。
全体のトーンは正統派「偉人伝」の枠をはみ出すことなく、「差別と闘った男」というよりは子どもの頃に読んだ「野口英世物語」みたいな印象だった。監督が担当している脚本は、あまり波風立つことなく平穏路線である。これを見て、かの地のブラザーたちがどう思うかは分からない。
現在全球団でロビンソンの背番号を永久欠番にしているというのは、野球選手としてさぞ偉業を打ち立てたのだろうが、その凄さはあまりシロートには伝わってこなかった。
もっとも、試合での盗塁や滑り込みの場面はかなりの迫力である。CGを駆使しているのだろう。
フォードじーさんはクセのある男の役で、いい所をすべてさらって行った感がある(一応、助演のはずだが^^;)。
主役のチャドウィック・ボーズマンは目が大きくて愛嬌がある。ウィル・スミスの後釜あたりを狙えるかも。奥さん役のニコール・ベハーリーもキュートで好印象。お二人とも今後の活躍に期待したい。
一方、素行不良の監督役で途中退場のクリストファー・メローニはますます額が後退して、今後が心配である。
音楽はちょっとあおり過ぎだった。
とはいえ、自国の差別の歴史を偉人伝テイストにしろ堂々と描いてしまうのはやはり大したもんであるよ……(ーー;)
ストライク度:7点
隠し球度:4点
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