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2014年1月26日 (日)

「少女は自転車にのって」:元気がなくても生きていけます(多分)

140126
監督:ハイファ・アル=マンスール
出演:ワアド・ムハンマド
サウジアラビア2012年

サウジアラビアというと親米国だからあまり話題にならないが、かなりイスラムの規律が厳しい国らしい。知人の女性が旅行した時、外国人でも顔と手以外は出せずチャドル(でいいのか?)をかぶっていたという。
さらに映画館が国内にないとのこと。もっとも市民はビデオで見ているらしいが……。

そんな国から女性監督が誕生\(◎o◎)/!
主人公は自転車が欲しくてたまらない10歳の女の子……なんていうと、同じイスラム圏のイラン映画などを連想してしまう。
活発な女の子の話から元気を貰おうと、年寄りの多い岩波ホールに行って見ましたよ。
しかし、監督が描きたかったのはどうも少女本人より、彼女の目を通した大人の社会の矛盾や困難のようだったのだ。

夫の訪問が遠のいているとやきもきする母親。どうも第二夫人を迎える予兆ではないかと恐れている。この国では女は自動車を運転できないので、通勤の足を確保するのも大変だ。(運転手を頼まれている男がこれまた横柄)
少女が通う学校の校長は外見はイケてる女kissmarkであるが規律には厳格--だが、実は「男」がいるという噂。上級生たちは隠れてマニキュア塗ったり、さらには男と密会したり。見つかったら退学必至だ。

そんな不自由な世の中で、少女は生意気盛りで反抗する意欲満々、西欧産の「悪魔の音楽」を愛好する。世間じゃ女の子が乗って走るなんてはしたないng自転車は、彼女にとって自由の象徴である。それを獲得するためなら苦手なコーランの暗誦も頑張っちゃう。

そのしたたかな行動力、幼なじみの少年を結構便利にこき使っている姿など--見ていて元気になると言いたいところだが、ラストシーンを除いては大人の世界のシビアさ狭量さがひしひしと伝わってくる映画なのであった。

よくイスラム社会の女性たちについて、ベールの下はばっちりお化粧してファッションもキメていて結構自由だ、というような言説を耳にするが、これを見ていると、なんか派手なマニキュア塗ったり化粧でもしなけりゃやってらんないという印象を受けた。これは私の偏見だろうかね(?_?)

もっとも、他国の文化や社会を批判するのは簡単である。
もしこれが日本が舞台で、派手なタトゥーを入れたいために金を稼ぐ鼻ピアスの小学生の女の子、なんて話だったらどうだろうか。やはり少女を応援するだろうか?などと自問してしまった。


元気度:5点
女はつらいよ度:9点


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