「ナポリの光と影」:アンサンブルで聞き初め
ナポリ楽派の巨匠A・スカルラッティとF・マンチーニの作品
演奏:向江昭雅ほか
会場:近江楽堂
2014年1月6日
今年初コンサートはリコーダーの向江昭雅を中心とした5人のアンサンブル。過去にほぼ同じ面子で録音を出している、ナポリ出身の二人の作曲家を取り上げるコンサートである。
スカルラッティの十二年後輩にあたるのがマンチーニで、副楽長の地位に甘んじつつも、宮廷楽長の座を目指す彼にとってはスカルラッティは功績ある先輩というより、立ちふさがる目の上のタンコブだったとのことだ。
そんな二人の協奏曲やソナタを交互に演奏した。明晰軽快なスカルラッティに対しマンチーニはやや落ち着いた生真面目な作風のように思えた。
新年にふさわしく歯切れよく息の合ったアンサンブルだった。近江楽堂の響きも心地よく満足でき、聴くことの喜びをヒシと感じたのである。
途中で一曲チェンバロ独奏(平井み帆)でスカルラッティの「フォリア」をやったが、これが他の作曲家のような熱狂的な舞曲という面影はみじんもなく、極めて技巧的でクールな作品になっていた。終わり方も唐突である。
なんとなく、当時彼が自らこれを弾くのを柱の影からマンチーニが覗いていて、思わず「ぐぬぬぬ……(*_*;」と歯ぎしりしている姿を妄想してしまった(^^ゞ
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