« バッハ・コレギウム・ジャパン第106回定期演奏会:ハナたん萌えればナツミも燃える | トップページ | 「ギリシャ悲劇 王女メディアの物語」:歌のないオペラ »

2014年3月 9日 (日)

「エンダーのゲーム」:エイリアンよりも怖い「あの人」登場

140308
監督:ギャヴィン・フッド
出演:エイサ・バターフィールド
米国2013年

「エンダー」のシリーズが出たのはかなり前のはず。長編版は1985年、短編版に至っては1977年である。その後、同工異曲な作品が雨後のタケノコの如く出没し、これが元祖・本家と言っても今さら感が強い。
どうして今頃映画化なのか分からんけど、王道SFというのは久し振りなので(『ゼロ・グラビティ』はSFじゃないよ)見に行ってみた。なお原作は未読であります(^^ゞ

冒頭から問題あり。異星人に攻撃されて……で、どうして「二人っ子政策」になったのかよく分からない。さらになんで主人公が三番目の子として生まれてきたのかもだ。その他色々背景があまりよく説明されてなくて不明な点が多々ある。

その後は主人公の少年が軍事シミュレーションで才能を発揮しつつ、学校や新兵訓練でイジメやらシゴキに遭いつつ出世していくのであった。殺伐としたエピソードばっかりがサクサクと進み、明るい部分など一かけらもない。まあ、戦時の耐乏生活中だから仕方ないんだわな((+_+))

新兵の訓練場面は過去も未来も全く変わっていない。実際の戦闘は無人機を母艦から操作するだけだっていうんだから、あまり体技は関係ないと思うのはグータラな私だけか。
訓練の無重力場面はきっと『ゼロ・グラビティ』を見る前だったら感心したであろうレベルである。
その戦闘・戦略は柔軟な青少年しかできないという設定。よってハリソン・フォードを始めとする軍の上層部のオヂサンオバサンが、子どもを酷使するように見えてしまうのは仕方ない。フォード爺、児童福祉法違反 でもやらねばならぬのだよ。

凶悪な異星人は虫だか爬虫類だかを取り混ぜたような恐ろしい形状だが、それよりももっと恐ろしいのはベテラン軍人に扮したベン・キングズレーである。これがホントにコワイのだ(>y<;) さすが「いかな名優でも子役と動物には勝てない」と言われるものを、『オリバー・ツイスト』では立派にその両方共を食ってしまった役者だけのことはある。今回も、子役に異星人、加えてそうそうたる面子のベテラン俳優を軒並み凌駕……いや獰猛なエイリアンのように食っている怪演なのであった。
はっきり言って、彼の横に立つH・フォードがデクの坊にしか見えませんっ(> <)

終盤のどんでん返しに加えて「パート2もあり」なエンディングであったが、果たして次はあるのだろうか?

主役のエイサ・バターフィールド君は『ヒューゴの不思議な発明』の少年だったのね。まあすっかり大きくなって(*^_^*) 声も体型もまだ少年モードなのに身長は既にフォード親爺並みなのもビックリ。これからもドラッグや悪い女にはまらずに立派に役者として大成してほしいもんである。
他に、もう子役という年齢ではないがアビゲイル・ブレスリンやヘイリー・スタインフェルドも出演。ただ、今一つパッとしない。
ベテラン勢はヴィオラ・デイヴィスもいるが、これも無駄遣いとしか思えない。これだけ豪華キャストなのに、興収でのモトは取れていないだろう。
よって、第2部の行方はエイリアンではなくカネのパワーが阻むのであったよ。

余談であるが、少子化が深刻な日本では戦争するなどトンデモない 大体にして兵士になる子どもがいないではないか(!o!)
ということで、私はシニア兵士の採用を提案したい。第一に人数が余っている。この映画のように無人機を操作するだけなら体力は不要だし、近頃ゲーセンを占めているのは高齢者ばかりだというではないか。
それに、定年退職したばかりのサラリマンをそのまま使えば、社畜根性が残っているので玉砕もいとわずなのであ~る(~ ^~)

それから久しぶりに行った丸ピカであったが(他に吹替版やってるトコが少ない)、なんだか映画鑑賞のマナー注意を4種類ぐらい見せられてイヤになってしまった。映画の予告だったらまだしも……
高い金、ふんだくった上にこの扱いはなんでえ(*`ε´*)ノ


エイリアン凶悪度:7点
人間凶悪度:8点


| |

« バッハ・コレギウム・ジャパン第106回定期演奏会:ハナたん萌えればナツミも燃える | トップページ | 「ギリシャ悲劇 王女メディアの物語」:歌のないオペラ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「エンダーのゲーム」:エイリアンよりも怖い「あの人」登場:

« バッハ・コレギウム・ジャパン第106回定期演奏会:ハナたん萌えればナツミも燃える | トップページ | 「ギリシャ悲劇 王女メディアの物語」:歌のないオペラ »