「ヨハネ受難曲」:川崎の渦にのまれる
演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
2014年3月9日
マタイは定期公演でやるけど、ヨハネをこの時期にやるのは何故(^^?)と思ったら、海外ツァーでニュージーランドあたりを回っていたついでに、日本でも公演--ということだったらしい。この後、すぐにまたツァーの続きで旅立ったとか。強行軍ですなあ
ミューザ川崎は震災時の事故のために休館してたので、本当に久しぶり。駅から至近距離だし音がいいホールだからもっと足を運びたいけれど、私にとってはあまり電車の乗り継ぎがよくない所が難である。この日も京浜東北にチンタラと乗って行ったのだった。
公演の内容についてはもう今さら詳しく書くこともないだろう。冒頭の合唱からコーラス隊は素晴らしい響きを聞かせてくれた。刺すような激しさから、かそけき優しさに至るまで十二分に表現していた。
個々のソリストたちも非の打ちどころがない。以前はカウンターテナーのクリント・ファン・デア・リンデの声がどうも体質に合わないと思えたが、この日は気にならなかった。
かつて初めてG・テュルクのエヴァンゲリストを聴いた時は、ペテロの否認の件りを「なんたる甘美なる苦悩」と感じたが、この日は地を這い呻吟するがごとくで地の底へズブズブ沈んでいくようだった。
全体的にテンポが速く、場面によってはテュルク氏がかぶさるように歌いだすことが何回かあった。
器楽メンバーは海外公演仕様らしく、コンミスは高田あずみ、チェロはE・バルサ&武澤秀平と、定期公演とはやや異なっていた。
左寄りの席を取ったせいだろうが、オーボエやフルートの音がダイレクトに届いてきて驚いた。オペラシティだったらこうはいかないだろう。
次は定期公演の「マタイ」(聖金曜日!)があるが(その前の13日にミューザ川崎でもあり)、あえてその翌日のさいたま劇場の方を選んだ。テュルク氏のラスト公演になるかも知れないからである。
休日の川崎駅前は異様なほどの人ごみでごったがえし、そこから強力なエネルギーのようなものが渦巻いているようだった。こりゃ渋谷駅前や花見時の上野を超えるほどだと感じた。
改札にたどり着くだけで疲れてしまったですよ(*_*;
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