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2014年3月17日 (月)

「ザ・イースト」:エコと共にテロる

140317
監督:ザル・バトマングリッジ
出演:ブリット・マーリング
米国2013年

ほとんど予備知識なしで見に行った。環境テロリストのグループに潜入調査--という話は、似たようなのがTVドラマ「ロー&オーダー 性犯罪特捜班」にも出て来たんできっと実際にあった話を元にしてるんだろうな、ぐらいのもんだ。

元FBI女性捜査官が、今はセキュリティ会社の調査員となり、大企業相手に環境テロを仕掛けている集団に潜入する。
その集団は一見穏やかな、田舎で質素に暮らそう系のコミュニティ。『マーサ、あるいはマーシー・メイ』みたいにコワイことやら、メンバー同士で乱交なんてことはない。
やがてヒロインは彼らの人間関係や考え方に触れて、自らの価値観や企業のやり口に疑問を持つようになる。

巷ではかなりの高評価のようだが、私はあまり感心できなかった。
見ているうちに、これは期待していたような社会派サスペンスではなく、若い女性の生き方の選択を描いたものだと思った。もちろん、それ自体が悪いわけではない。同じように社会・政治問題と若い女性の生き方を関連させて描いた『サラエボ,希望の街角』という秀作もある。

特に気になったのは、人物の描写である。ほとんど背景とか性格とか描かれていない。かろうじて共同体のリーダーは自らの過去を語るが、彼が終盤に至って変貌するのに全く伏線がないので、唐突としか思えない。
エレン・ペイジ扮するメンバーは最初からヒロインに敵意punchを見せるが、その理由はさっぱり分からない。彼女の出自が明らかになっても、やはり分からないのは同じである。さすがにE・ペイジだからそれなりに演じてはいるものの、その存在は大昔の少女マンガに登場する、転校してきた主人公の靴に画びょうを入れてイジワルする敵役のようにしか思えないのだった。

また、主人公が務めるセキュリティ会社は何をやっているのかよく分からず、きれいでピカピカしたオフィス以外に印象に残らない。
上司は描かれるものの、主人公の過去の価値観を体現するところなんだから、もう少し詳しく描いてほしかった。

唯一のめっけものはリーダー役のアレキサンダー・スカルスガルド。最初に登場した時は髭面長髪でキリストさんみたい、金短髪スッキリに変身してからもまたカッコエエflairですな。
ステラン・スカルスガルドの息子だって? エンマ帳に記入しておこう( ..)φメモメモ
主演のブリット・マーリングについては残念ながら、若くて美人でお肌がキレイshineとは思ったものの役者としては今一つ魅力が感じられなかった。

ヒロインのパートナーの男の描き方を見ていて、もしかしてこの脚本を書いているのは女かと思ったが、やはりB・マーリンが担当していた。
優しくて思いやりがあり、彼女が悩んでいる時は余計な説教などせず黙って見守り、そっと朝食を作って出してくれる……まさしく理想のカレシではないかfull 男性諸氏には、これが女性の何割かの理想の男性像なのでよく研究するように。
なに、そんな都合のいい男がいるかって(^^?) 映画には実在しそうにない都合のいい女もまた溢れているから問題なーしok


社会度:5点
環境度:6点

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