「近江楽堂のチェンバロ」:フランス宮廷からなぜか父子対決へ
大塚直哉は「クラヴィーアの旅」と銘打っていろんな場所のチェンバロを弾いているようだ。過去に聴いた演奏会では、ちょうどこの近江楽堂にチェンバロが入った時にフランソワ・クープラン作品のコンサートをやっている。
17世紀初期のフランス様式ということで、ルイ・クープラン、その流れでラモーが選ばれ、彼らの音楽に影響を与えたということでカベソンとスウェーリンクの小品が演奏された。
やはりルイ・クープランがピカ一だった。偶然、その日の朝にスキップ・センペ盤をで同じ組曲を聴いてたのだが、センぺが金糸の織物を広げ散らしたような華麗さなのに対し、こちらは訥々と語るという風情でしかもミステリアスな香りも漂わせたのだった。
同じフランス宮廷ものでもその後のラモーになると、ややよそよそしい印象であった。
後半は息子バッハのカール・フィリップ・エマヌエルの「ヴェルテンベルクソナタ」から開始。実は息子バッハとなると守備範囲外になってしまうので初めて聞いた(^^ゞのだが、繰り出される音はなるほど洗練されたフォルムで最先端の高速列車のよう。聞いててこれはチェンバロよりもフォルテピアノの方が向いてる曲だなあ、などとも思った。
これでは老バッハが古くさいなどと評されても仕方ない。
がしかし続いてその父バッハのパルティータ5番は……古いとか新しいとかを超えて、な、なんだかよく分からん(@_@;)
自分だけかと思ったら《古楽の小路》でも似たような事が書かれていたので、やはりそういう曲なのかと納得した。
帰宅して、F・ゲリエ盤を引っ張り出して聞いてみたけど、やはりよく分からなかった。
とはいえ、ねじりチョコドーナツのような脚のチェンバロを堪能できたコンサートだった。あと近江楽堂の響き自体もチェンバロに最適である。ここが空調が直ってホントによかったヽ(^o^)丿
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