結城座「岡本綺堂 半七捕物帳異聞」:兄帰る
結城座380周年記念公演
脚本・演出:加納幸和
会場:東京芸術劇場シアターウエスト
2014年6月5日~9日
実は直前までこの芝居があるとは知らず、新聞の取材記事を読んであわててチケットを買ったのだった(^^ゞ
岡本綺堂は人形芝居の結城座と交流があり観劇評なども書いていたとのこと。また「半七捕物帳」シリーズの中に、結城座を舞台にしたとおぼしき事件の作品があるそうだ。
それを元に花組芝居の加納幸和が脚本と演出を担当したのが、この芝居である。なんと加納氏が最初から他劇団のために描き下ろしをしたのは初めてだという。そうだったのかとビックリだ。
話の始まりは明治の世、新世代の新聞記者の若造に隠居生活の半七(花組の小林大介)が手柄話を聞かせるという次第。そこから、過去に起こった人形芝居一座の若い異母兄弟の跡目相続がらみの殺人事件へとつながる。
ここで注目なのは、孫三郎と25年ぶりに戻ってきて共演する実兄田中淳がこの兄弟を演じるということである。
正直言って、私などは孫三郎氏に兄がいたとは知らなかった(!o!) 結城座を見始めたのがその後の時期だからだろう。
この二人が人形を操りながら兄弟喧嘩して、しまいには取っ組み合いまでするのだ。これは加納氏は分かってて書いたんだろうから、相当なもんである いや、面白かったですけどね(^v^;
兄弟共演に加えて、古典作品の演目の一部も劇中劇として挿入され、お得感が倍増である。
謎解き自体は大層なものではないが、怪談仕立ての場面などもあり、久しぶりに「面白かった\(^o^)/」感でいっぱいになった。
私が見た回は孫三郎&加納のアフタートークがあった。「380周年」に孫三郎氏がこだわっているのが印象的だった。そう言わずに「390年」「400年」に向けて頑張って下せえ
宣伝のチラシの彼の文章にこう書いてある。「その間、兄と袂を分かち、父・雪斎と母・素京が鬼籍に入り、弟・一糸も離れ、つらいことばかり続きました」
その一糸氏は自分の人形芝居を、隣の会場シアターイーストで直前まで期間を入れ違うようにやっていたのだから、やはり兄弟には色々あるようだ。
次回の記念公演は渡辺えりの『オールドリフレイン』とのこと。見に行くぞ~。
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