« 聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 6月版 | トップページ | 「近江楽堂のチェンバロ」:フランス宮廷からなぜか父子対決へ »

2014年6月 1日 (日)

「奥さまは愛国」

140601
著者:北原みのり、朴順梨
河出書房新社2014年

なぜ一見普通の女性がヘイトスピーチ・デモに参加するのか?
その実態にあえて踏み込んだルポ本である。共著になっているのは、それぞれに一人でやるのはしんどくて困難だったからという理由もあるようだ。

参加者たちへの直接インタビュー、愛国幼児教室、皇居の一般参賀、かと思えば朝鮮学校見学なんてのもある。いずれも、実際行ったり会ったりしなければ分からないものばかりだ。最近話題の人である竹田恒泰の講演会潜入記なんて驚かされることばかりだ。

そういう点ではためになった。ネットなんかでも、見ているサイトやフォーローしている人は自分と似たような考えや趣味に片寄っているので、わざわざ正反対のところを見に行ったりはしないので決して知ることはないのだ。

著者の二人は共感できない部分、あるいは逆に同感できる部分など正直に書いている。
意外にも朴順梨が割合屈託なく(少なくとも表面的には)描写しているのに対し、逆に北原みのりの方はいささか沈鬱な感情が伝わってくる。それは私も同じ気分だ。この問題を考えていると、ウツウツして暗くなってくる。ウツウツウツ(ーー;)

あえてこのテーマに挑戦した二人には感心した。。
北原みのりはフェミニストの一部(大半?)からは批判されてばかりだが、こういう仕事は評価してもいいのではないかねえ。


| |

« 聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 6月版 | トップページ | 「近江楽堂のチェンバロ」:フランス宮廷からなぜか父子対決へ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「奥さまは愛国」:

« 聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 6月版 | トップページ | 「近江楽堂のチェンバロ」:フランス宮廷からなぜか父子対決へ »