「前田りり子リサイタル 協奏曲の時代」:その答えは、笛に吹かれて
フルートの肖像10
会場:日本福音ルーテル東京教会
2014年6月27日
前田りり子の話によると、このシリーズを始めた理由は優れた有名作曲家だけではなく、隠れたB級作曲家の作品にも光を当てたいということらしい。料理だって高級フレンチばかりだと胃にもたれる、のだそうだ(^O^)
今回は記念すべき10回目としてこれまでよりも大きな編成でやることにしたとのこと。(過去のコンサートはこことかこれ)
取り上げたのはヴィヴァルディの有名な「ごしきひわ」、バッハ父子、フルート吹きであるブラヴェ、クヴァンツの作品である。長めの協奏曲が多くてボリューム満点 ヴァイオリン担当のパウル・エレラが「まるでフルマラソン
みたいなプログラムだ」とあきれたとか……と嬉しそうに語るりり子女史であったよ。
父バッハは「ブランデンブルグ」より5番と、カンタータ209番からシンフォニア。前者は先日のラ・プティット・バンドでもやってたが、この日の鍵盤は上尾直毅で、ためを入れずに高速にサラリと弾き流す演奏であった。
「18世紀前半最高のフルートの名手」ことブラヴェの作品は、演奏家本人の作品だけあってフルートが吹いている時は他の楽器はお休み状態になっちゃうのが面白い^_^; その独演部分は「技術の限界に挑戦しており」(解説より)ということで、聞いてて手に汗握るド迫力であった。
ただ、フルート吹きは吹き甲斐が大いにあるだろうが、問題はコンチェルトとしてはやや面白味に欠けるということであろう。
後半の息子(CPE)バッハとクヴァンツになると、時代的に私の守備範囲外となり、あまり集中できなかった。アンコールは父バッハを2曲。
ご本人も言ってたが、吹いても吹いてもまだ吹き足りず、また吹きまくるという印象。まさに笛を握って生まれてきたようである。
会場の教会(新大久保)にはたびたび来たことがあるが、今回は一年ぶりだった。相変わらずの人出だったが、新しい店が幾つもできていて変化を感じた。特に、教会の道を隔てた向かい側が駐車場になってたので驚いた。
……だが、以前はなんだったのかはもう思い出せない。まあ都市だとこんなもんだろう。
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