「ブルージャスミン」:色女、金と男運は無かりけり
監督:ウディ・アレン
出演:ケイト・ブランシェット
米国2013年
およそ××年前を最後にウディ・アレン監督作品は見ていない。何を見たか忘れたがどうも好きになれなかったのだ。
この『ブルージャスミン』も見てなかった。しかしオスカー獲得したケイト・ブランシェットの演技があまりに評判が高かったので、ロードショー落ち(?)になってご近所の映画館でやってたのを、職場の同僚を誘って見に行った。
まあ、なんというか、ケイト・ブランシェットの一人芸を味わう映画だった。達者な豪華助演陣は彼女の芸を支え、奉仕しているかのようである。
出自を隠しながらセレブを演じるヒロインは細い綱の上で綱渡りをしているよう。そんな神経質な苦しさがシニカルな視点を通して伝わってくる。
不思議なことに、周囲の女たちはなぜか彼女に優しい。義妹なんかひどい目にあわされたのに同居させてやるし、パソコン教室で知り合った女はパーティを紹介してくれるし、ニューヨーク時代の友人は「黙ってたんだけどね」と言いつつも旦那の浮気をご注進してくれた。(もっとも、浮気相手は別だ)
一方、害をなすのは男ばかりである。亭主はもちろんだが、しつこく言い寄る歯医者、口の悪い義妹の恋人、肝心なところでチクった義妹の元亭主、そして外交官……。
彼らがいなかったら、ヒロインは心静かに暮らせたのではないかな。まあ何も起こらない人生かも知れないが。なぜ、男たちはみんな彼女を邪魔するのだろう。困ったもんである。
これが男運が悪いということなのか。監督はそこまでは教えてくれないようだ。
100分程度の上映時間なのにやたらと長く感じた。一緒に見た同僚は「詰まらないから長く感じたのよ<(`^´)>」と断言した。
やはり、再びアレン作品を見ることはないようだ。
ところで、P・サースガード扮する外交官は何故再婚を焦っていたのだろうか。恐らくは政治家に転身する予定なので、体裁として「妻」は必要だから--と推測はできる。
でも、それだったらあんな出会いパーティで探すかなあという疑問は残る。それに、婚約前に当然相手の身上調査ぐらいするはずだ。
まあ、そういうことをあまり突っ込むべきではない映画ってことか。
男運:0点
金運:1点
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