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2014年9月23日 (火)

「状況証拠」上・下

140923
著者:スティーヴ・マルティニ
日経文芸文庫2014年

☆「重要証人」上・下
集英社文庫1994年

海外ミステリの出版が日本で盛んだった時期に、ジョン・グリシャムの法廷ものなどベストセラーになっていたが、全く読まなかった。映画の裁判ミステリは好きで結構見ていたのだけど。思い返すと多分、文章で読むと理屈っぽいという印象があったのだろう。

しかし、今は事情が違ってきた。米国の犯罪捜査&法廷ドラマ『ロー&オーダー』を毎週のように見ているからだ。検事と弁護士の弁論合戦やら、「えー、こんなのありか」みたいな法解釈とか色々あって面白い。

それで、先日再刊されたS・マルティニの法廷ものを読んでみた。作者は元弁護士、主人公は元検事の弁護士というシリーズである。
『状況証拠』はもともとは1994年に角川文庫から出た。それがなぜか日経文芸文庫という新しい文庫にそのまま入ったのである。

主人公が元所属していた弁護士事務所の上司が突然自殺する。しかしそれが他殺ではないかという疑いが生じ、妻が疑われる。主人公が弁護を引き受けるが、実は彼女と主人公は過去に……という展開だ。
陪審員選びから始まって事細かく裁判の様子が描かれるが退屈しない。さらに意外な展開が
という感じでミステリとしても謎が面白く上下巻あっという間に読んだ。『ロー&オーダー』本家の場面がモロに思い浮かぶような所もあり。

シリーズの続きを読みたい!(^^)!と思ったが、なんと2011年に扶桑社の文庫で出た(このシリーズも出版社を転々としてますな)8作目以外は全て品切れで入手不可なのであった。
だが、こういう時は図書館が頼み 地元の市立図書館を調べたらほとんど揃っていた。ヤッタネ(*^^)v

2作目の『重要証人』は、病気の友人の頼まれてなんと検事をやることに。で、陰惨な連続殺人犯の公判を担当することになるのだが……。
連続殺人の場合、全犯行をまとめて起訴するかどうかで、下手すると有罪が引っくり返ってしまうようなことがあるらしい。
ただ、こういうような展開は米国の裁判ならではだろう。日本ではこんな劇的なのはありえないと思われる。

また第3作も図書館で借りて読むことにしよう。


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