「コンチェルト・デッレ・ダーメ」:女三人寄ったら
3つの声が織りなすプリズム
演奏:鈴木美登里、野々下由香里、波多野睦美
会場:ハクジュホール
2014年9月12日
ルネサンス期のフェラーラの宮廷では3人の女性歌手たちが活躍していたという。そんなトリオの名にちなんでの演奏会。前回は昨年11月にやったのだが、なんと波多野睦美が急病で欠場 今回はその雪辱戦となった。
共演はやはり前回と同じく鈴木秀美&上尾直毅である。
ソロ、二重唱、トリオ--と色々な組み合わせでモンテヴェルディ、ロッシ、ルッツァスキなどを演奏。
タイトル通り3人で歌うロッシ「私たち純情可憐な三人娘」は、たわいない娘たちのお喋り風の内容からなぜか終盤はシリアスな愛の話へ。かと思えば、同じく「わが思いは戦を仕掛け」は軽妙に、ルッツァスキの「ああ、こよなくにがい愛の喜びよ」はしっとりと、様々な表情を聞かせてくれたのだった。
独唱では波多野睦美のモンテヴェルディ「アリアンナの嘆き」が圧巻。自分を捨てた男への恨みつらみ、未練、憎悪、嘆願などなどクルクルと変化する女心を見事に表現した。やはり彼女はこういう曲は強い(!o!) 元のオペラは散逸してしまったそうで、残念であるよ。
鈴木美登里のソロではロッシ「嫉妬」を怒涛のように歌うのを、鈴木秀美のチェロがさらに表現力豊かに押し上げる。こういうのを「婦唱夫弾」というんですかね。
残る野々下由香里はカリッシミの「いや、だめだ、わが心よ」を。押しと引きが交錯する曲だった。
やはり日本古楽界のベテラン女性歌手として最強レベルが揃っているのを、ヒシと見せつけ(聞かせつけ)たコンサートであった。
器楽曲タイムでヒデミ氏が弾いたのはヤッキーニという作曲家のソナタ。全く知らない人だった。ナオキ氏独奏のフレスコバルディは、歌曲が感情表現豊かなものばかりだったのとは対照的に、端正なきらめきが感じられてなんだかホッとする一曲だった。
これからもまた引き続き三人での公演を続けて欲しいと思いまーす(^^)/ で、「古楽界のかしまし娘」と呼んでエエですか
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