結城座「オールドリフレイン」:老女の夢は夜開くのよ
脚本・演出:渡辺えり
会場:座・高円寺2
2014年10月2~5日
380周年記念公演第2弾(第1弾はこちら)は、渡辺えりの代表作ともいえる『オールドリフレイン』(1987年初演)の再演である。
小劇場ブームの頃も劇団3○○は見た事がなかったので、この芝居も初体験だ。
孤独な老女が一人、部屋で夢を見続けて何かを待っている。彼女が眠ると、そこから老人と少年が現れ、さらに老人の若い頃へと戻っていく。
老女は夭折した尾崎翠をモデルにしているとのこと。時代を飛び越え、世界を股にかけて奇想天外なハチャメチャ話が続く。
様々なイメージや要素やらアクションやら入れ子状態になってぐるぐる回っているような状態である。それを人形たちが演じるところがまたすごい。とっかえひっかえ現われてはまた消える。
もっとも、途中で孫三郎&田中淳の兄弟が、人形を置いて前回同様取っ組み合いをするサービス場面もあった。
このようなめくるめくイメージを描きだした結城座一同のパワーは全くもって素晴らしいものだったが、一方で物語は冗長で漠然としすぎ、ダラダラしているとしか思えなかった。
まあ、これは渡辺えりの作品と、私個人の相性が悪いということなのだろう。客席全体の反応は大いにウケていた。
この日はアフタートークがあった。孫三郎と人形美術を担当した宇野亜喜良の対談である。話題はなぜか武智鉄二のことが中心で、孫三郎は若い頃彼に弟子入りしてたそうな。その武智は谷崎潤一郎の弟子だったとか、ポルノ映画を作ったのは金のためだった--などという話が出た。
また、人形と役者が初めて共演したのはエノケンの舞台だった、など。
会場で偶然仕事仲間と出会ってビックリした。しかも、座席が二つぐらいしか離れていない。どうも二人ともチケットぴあで買ったためのようだ。
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