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2014年12月

2014年12月31日 (水)

2014年だよ、全員終了!

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早くも大みそかとなってしまいました。
手短に振り返ってみたいと思います。
 →来年のカレンダーは「ねこはい」だっ

◆古楽系
☆公演(開催順)
ブクステフーデ「わたしたちのイエスの四肢」(ラ・フォンテヴェルデ、ザ・ロイヤル・コンソート)
「フランス音楽の彩を楽しむ 5」(宇治川朝政+ジョシュ・チータム+福間彩)
クープラン中心のプログラム。
バッハ「マタイ受難曲」(バッハ・コレギウム・ジャパン)
テュルク氏引退(T^T)
「モンテヴェルディ―愛の二態」
レクチャーコンサート「楽器と巡る音楽の旅」
企画自体ありがたいものだったが、とにかく寺神戸氏のヴァイオリン弾き倒しは衝撃的だった。

☆よく聞いたディスク
*「南から北へ 十七世紀ドイツ・バロックの歌と幻想」(ハナ・ブラジコヴァー&アンサンブル・コルダルテ)
ハナたん
*ヴィヴァルディ「弦楽のための協奏曲集 Vol.2」(リナルド・アレッサンドリーニ&コンチェルト・イタリアーノ)
ゴゴゴ……という、怪物が潜む湖の底みたいな通奏低音に心躍るのであった。
*「いざ来ませ、異邦人の救い主よ ~ フランス風序曲とドイツの作曲家たち」(バッハ・プレイヤーズ)
最近、輸入盤がドッと入ってきたこのグループ、なかなかに聞かせる。他のディスクも買い込んだ。
その他、リチェルカール・コンソートは声楽、器楽を問わず聞きまくりであった。

◆ロック・ポップス
*「ヘンドラ」(ベン・ワット)
31年目にしてでたセカンド・ソロアルバム! 何より、以前の瑞々しさが変わらぬまま円熟しているのに驚いた。サマーソニックでのライヴ収録見てたら「ノース・マリン・ドライヴ」をやってくれたのには涙目ですよ。
*「ビューティフル・ライフ」(ダイアン・リーヴス)
歌唱もいいがサウンドやアレンジも素晴らしい。ベテランの域に入る人なのに確実に今の音も捉えている。

◆本
*「女子高生の裏社会」(仁藤夢乃)
読むと暗澹たる気分になる。でもこれが現実なのだ。
「状況証拠」(スティーヴ・マルティニ)
20年も前の復刊だが、最近のいい加減なミステリーよりずっとよく出来ていて面白い。現在4作目を読書中。
*「五色の舟」(近藤ようこ)
津原泰水の原作をマンガ化したもの。原作はドライな感じだが、こちらは意図的にしみじみとした寂寥感を出しているようだ。「悪童日記」の映画版と共に、原作と見比べると「なるほど、こういう部分を切ってこういうのを付けたすのか」というのがよく分かる。
*「木曜日のフルット」(石黒正数)
「ネコの表紙かわいい~」とよく分からず買ってしまったが、ネコのフルットよりも人間の鯨井先輩に学ぶところ多し。私も定年退職したら再就職なぞ絶対せずに、彼女のようにゴロゴロして暮らすぞ~。

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「バッハを囲む巨匠達」:バロック期巨匠ひしめくドイツかな

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18世紀、ドイツ各地の宮廷での音楽~名曲は「バッハ」だけじゃない!!
演奏:赤津眞言+オーケストラ ファン・ヴァセナール
会場:淀橋教会 小原記念チャペル
2014年12月5日

サブタイトルにそのまま示されているように、バッハと同時代に様々な宮廷で活躍していた音楽家たちを取り上げたコンサートである。
オーケストラ・ファン・ヴァセナールは赤津氏を含む4人のヴァイオリニストを擁するグループで、他にチェロ×2、ヴィオラ、チェンバロとなっている。

バッハの曲も一曲(ヴァイオリン協奏曲)入っているが、それ以外は全く知らない名前も聞いたことがねえ~(!o!)という作曲家がほとんど。ダラバコ、ペッツ、ハイニヘン、そしてクラインクネヒト、ブレッシャネロ--後の二人は古典派に近い。

隣接する公国が宮廷楽団を抱え、優秀な音楽家たちがそれを渡り歩くという中で、イタリアやフランスの影響をそれぞれに受けつつ、音楽文化を花咲かせていたわけで、いずれもバッハ先生に負けず劣らず活躍していたようだ。

そのような「バッハだけじゃない」作品の数々に、こんな曲もあったのかと驚き、かつ充分に楽しむことができた。前半は協奏曲中心だったが、後半の方は古典派系だったのでちょっと私の守備範囲からは外れていた。

このかなりマイナーなプログラムで、日本各地10公演もやったのだからいささか驚きである。そのせいか解説も結構熱が入って(?)長かった。先日聞いた前田りり子といい勝負である(^_^;)
また「ええっ、こんな音楽家がいたんかい!」と驚くようなコンサートをよろしくお願いします。

ただ、この会場は音が拡散してしまう傾向があるので聞く分には今イチであった。それと上から暖房の風が降ってくるのでマイッタ そのせいか調弦も大変そうだった。


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2014年12月30日 (火)

「前田りり子リサイタル 趣味の和合」:イタリア気質にご用心

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フルートの肖像11
会場:近江楽堂
2014年11月29日

前田りり子がフルートを吹きまくり、かつ曲間解説で喋りまくるシリーズ、今回は「1723年から1732年までという9年間にパリで出版された音楽」というニッチな範囲のプログラムである。この間にかつては対立的とされたフランス様式とイタリア様式の「趣味の和合」を試みた作品が多く出版されたとのこと。
ガンバ平尾雅子、チェンバロ上尾直毅が共演。

登場するは、ボワモルティエ、モンテクレール、クープラン、ブラヴェ、そしてドイツ人だけどブラウンであった。

モンテクレールは細かい楽章が次々と続き、それを押しまくるような勢いで演奏するりり子女史はまさに力技一本と言いたくなるほどだった。
元々はヴァイオリンのソナタだが、フルートでも吹けるように作られたルクレール作品、これも引き付けるものがあり。ブラウン(弟)というのは初めて聞いたかな(^^?)地味だけで良曲だった。

9年の間に名作曲家、名曲がひしめきあい、パリはそれを支える文化の地だったのだなと納得。それも二つの様式がぶつかり合った時代ゆえだろうか。

やはり今回もりり子トークは爆発 フルートはフランスが最先端で、ヴァイオリンはイタリア産なのでフランス人は敬遠した--なんて話の時はまだよかった。そのうちイタリア男の気質の話題になって、イタリア行った時に天気が良かったので公園で昼寝をしていたら、いつの間にか隣に男が並んで横たわっていて口説かれた……って、なんですか、そりゃ(@_@;) 公園で寝てる女まで口説くイタリア男もなんだが、異国の野外で昼寝するりり子女史も大したもんである。もちろん会場は爆笑であった。

関係ないけど、平尾女史と共にお二人ともドレスが美しゅうございましたわ。


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2014年12月28日 (日)

「ショート・ターム」:傷付くは一瞬、傷跡は一生残る

監督:デスティン・ダニエル・クレットン
出演:ブリー・ラーソン
米国2013年

地味だが誠実な映画。トラブルや虐待などで家庭にいられなくなった青少年を短期間保護するための施設が舞台である。
ヒロインはその施設の職員でありエネルギッシュに働き、子どもたちと接している。しかし、そんな彼女も実は子ども時代に深い傷を負い、入所してきたとある少女に過去の自分と同じものを見出し、過去を思い出して動揺する。

悲惨なエピソードが登場するが、語り口は着実で前向きに終わるところが見ていて救われる。
ただ、作りが誠実過ぎてそこが逆に欠点になっているとも言えるかも知れない。

それから入所している若者たちが素直すぎでは……(?_?) 普通はあんなに本心語ってくれないし、傷つけられた子どもは他人を傷つけることも上手なのではないか。

ヒロインの恋人の男性はエエ奴です。あんな男はなかなかいないわな。

作中で使われている歌にも訳が付いているのがよかった。特にダンスの場面。有名な歌だけど(タイトル忘れた)さりげなく歌詞が効いている。


悪い子度:5点
良い大人度:7点

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2014年12月23日 (火)

「アマンディーヌ・ベイエ&アンサンブル・リ・インコーニティ」:新たな一派登場

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ヴィヴァルディ&バッハ~さまざまな楽器による魅惑の協奏曲集
会場:津田ホール
2014年11月25日

実はこのグループ、録音も聞いたことがなくて、なんか評判高いらしい--という理由だけで行ったのだった。
東京では二種類のプログラムがあったが、今さら「四季」もなあと思ったので、閉館が決まった津田ホールのヴィヴァルディ&バッハの方を選んだ。
「四季」プログラムのせいか王子ホール公演は満員御礼だったそうだが、この日はかなり空席が目立っていた。モッタイナ~イ\(◎o◎)/!

全6曲のうち赤毛の司祭4曲、バッハ先生2曲のプログラム。サブタイトル通り、ヴァイオリン、チェロ、鍵盤をソロ楽器とした協奏曲を演奏した。
リーダーのベイエはフランス人で、メンバーには日本人もいるが、グループ名からも明らかな通りイタリアのグループっぼかった。

チェンバロ&オルガンの女性奏者を始め、個々の演奏者は緻密かつスゴ腕なのに、なぜかグループ全体となると大ざっぱで「細かいことはきにしねえよ」風な大胆かつ豪快な演奏になるのが謎(?_?)である。
終始みんなニコニコしていて、あのU岡氏が曲間に登場してセッティングした椅子や楽譜台をクスクス笑いながら「間違えちゃった~(^Q^)テヘベロ」みたいに動かしていたのもおかしかった。
先日見たBCJの厳密な曲間のセッティングとは大違いである(^_^;) ドイツとイタリア気質の差ってやつかね。
雨の日だったせいか、調弦にはかなり時間をかけていた。

ラスト、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲最終楽章で、ベイエは楽器の超高音に挑むようなソロ部分を怒涛のような迫力で(しかし涼しい顔で)弾きまくった。これだけでもビックリである。
今しも終わるという時に、ヴィオラの女性奏者がフラメンコのような掛け声と共に足を踏み鳴らして、喝采を送った。ベイエ自身もこれは知らなかったようでみんな驚き会場はおおいに湧いた。
もっとも、そんな彼女もバッハ作品では勢い余って弦が滑ったこともあったような(多分)……(^^?)

イタリア過激派とはまた一味違った名人芸を見せて(聞かせて)貰えて大いに満足な一夜だった。こちらはイタリア享楽派とでも名付けたいぞっと。

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2014年12月21日 (日)

「デビルズ・ノット」:今、そこにいる悪魔

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監督:アトム・エゴヤン
出演:コリン・ファース
米国2013年

米国で20年前に実際に起こった子ども3人の殺害事件を描いた実録風作品。ヘビメタのファンである若者たちが逮捕されたが、冤罪の可能性が極めて高いとのことで、あちらではかなり有名な事件らしい。

子どもの中の一人の母親と、弁護側の調査員の二つの視点から描かれる。
田舎町で騒がしい音楽に熱狂し異様なファッションやスタイルに拘泥する若者たちは異分子であり、「魔女狩り」の様相を呈する。
しかし、被害者の子どもの周囲にも疑わしい人間は複数いて、件の母親は常に引っ掛かりを感じている。
調査員の方では、調べると曖昧な点や警察の手抜きかと思える状況が多く出てくる。しかし、それらは裁判で無視されてしまう。

作中で気になったのはこの、コリン・ファース演じる調査員である。なぜ手弁当で事件に関わろうとしたのか曖昧でよく分からない。裁判が不当であると憤った正義感から、というのならまだ納得いくのだが、美術品の競売に参加しているところとか、妻と離婚したばかりとか、思わせぶりな場面を出してきて、何かありそうに見せて最後まで何もないのだ。

母親からの描写と並行させて、内と外の双方から事件を描こうという意図だと考えられるが、結局のところ視点が定まらぬまま消化不良に終わってしまったのだった。
陰鬱な川や森の雰囲気の描写はいいんだけどね……。

リース・ウィザースプーンが、事件に巻き込まれた平凡な母親(いわゆる白人貧困層の)を力演。
犯人とされた若者のうち主犯格のダミアン(これ本名なの?名前が不吉過ぎ!もう一人はジェイソンだもんなあ)役のジェームズ・ウィリアム・ハムリックは美形 そのうち人気出そうである。
なお、デイン・デハーンという若手役者が人気上昇中らしいが、ほんのチョイ役なので彼を目当てに見るのはやめた方がいいと思いま~す。


実録犯罪ドラマ度:7点
法廷ドラマ度:5点


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2014年12月20日 (土)

バッハ・コレギウム・ジャパン第110回定期演奏会:イタリア帰りのすごい奴

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ハインリヒ・シュッツ:ダヴィデ詩編曲集を中心に
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2014年11月24日

今回の定期はバッハ先生ではなく、ドイツ三大Sの一人のシュッツである。シュッツの作品はナマではまとめて聞く機会はあまりない。それでも他の二人のSよりはマシだろうが。
「ダヴィデ詩編曲集」昔、F・ベルニウスの指揮の録音を聞いていたが、かなり昔過ぎて記憶の彼方なのだった。

演奏者の目玉はコンチェルト・パラティーノ参加だ~\(^o^)/。通常の定期よりは弦の数が少ない代わりに、管楽器陣がこれにより充実。コルネット、トロンボーンが3人ずつ。さらにリコーダー二本も。通底には鈴木(息子)に加え、お久しぶりの大塚直哉もチェンバロで登場であった。

曲毎に合唱、ソリスト、弦や管のグループがそれぞれ組み合わせや編成を変え、立つ配置も大きく移動する。そのせいか、今回マサアキ氏は曲間でマイクを握って解説し、背後でサクサクと移動していた。こうして見ると、録音では分かりにくい効果がナマで視覚的に分かってよかった。
楽器と声が様々な形で交錯する様は、ヴェネツィアで学んだG・ガブリエリ直伝(?)万華鏡のように華やかで色彩にあふれていた。その響きに魅了されずにはいられない。一方で、後年のドイツ宗教音楽的な実直さも感じられた。
ただ、パンフの編成書きが一部実際と違っていたのは単なる書き落としかね(?_?)

いつもの如く、ソリスト・合唱共に高水準。バッハ以前のドイツ宗教音楽を目の当たりに聞く思いだった。
ちころで、合唱の方にいたカウンターテナーの男性はなんだか青木洋也と、体型とか顔の造作がソックリ 兄弟とは言えずとも「いとこ」ぐらいなら通りそうな感じである。

コンチェルト・パラティーノの音は深く美しく、特に「涙をもて種を播く者らは」でのトロンボーンには陶然となった。
今回、彼らはBCJ会員向けの特別コンサートしかやらなかったのは残念至極である。ぜひ単独コンサートをやって欲しかった。

ところで、近くの席の若い男性が曲間でも(演奏中はさすがになかったが)ペットボトルをクビグビやってるのには驚いた。「飲食禁止」だっちゅーのに。会場内で飲んでるだけの人なら他にも数人見かけた。最近はペットボトルは「飲み物」に入らないのか
そいつは飲むだけでなく、椅子の下に数本ゴロゴロ転がしてたり(なんで前の座席の背に立てかけとかないの?)、買い物のポリ袋をやはり足の下に置いといて演奏中に踏んづけてグチャグチャ雑音を立てたりしてマイッタ(@_@;)
こういうのって基本的な生活習慣なのかね。


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2014年12月13日 (土)

「パリの街角、恋の歌」:幻のローソクの向こうにイケメンを見る

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エール・ド・クール(宮廷歌)とスペインの調べ
演奏:ル・ポエム・アルモニーク
会場:所沢ミューズ マーキーホール
2014年11月15日

本当は、この2日前に王子ホールでやった「ルソン・ド・テネブル」の方を聞きたかったル・ポエム・アルモニークなのである。
チケット発売時に先行予約だと端っこの席しか取れないので、一般発売日に買えばいいやと油断していたのが運のつき(>y<;) あっという間に売り切れてしまったのであった。
よくよく考えれば、前にもこんなことが……そう、サヴァールのソロ公演と全く同じパターンではないか
うう、二度あることは三度あるのかのう。それとも一度目は悲劇、二度目は喜劇のパターンか(T_T)

もっとも、チラシでいかにも照明をローソクのみでやりそうに書いてあった「ルソン」公演だが、実際は照明を薄暗く落としただけで、ローソクは無しだったらしい。なんなのよ。

ということで、代わりに行った別プログラム。スペインとフランスの音楽の近似と相違を描いたような内容だった。
声楽曲はソプラノのC・ルフィリアートルの独唱で、その間に器楽曲を挟むという構成である。
ルフィリアートルは滑稽な歌から悲しい歌まで、そして二つの国の曲を見事に歌いこなした。ブリセーニョという作曲家の「妻をちゃんとしつけておれば」はてっきりタイトルを見て陽気な歌かと思ったら、全く逆で哀愁たっぷりの嘆きの歌なのには意表を突かれた。(若い?妻に振り回される男の悲哀を歌ったもの

残り4人の奏者はリーダーのV・デュメストル(テオルボ)を中心にこれまた素晴らしいアンサンブルを聞かせた。
前回の公演でも弾いてたと記憶しているS・フェステルという女性ヴァイオリン奏者。彼女の演奏では、特に後半(と言っても休憩なしだったが)ルベルの曲を始め、何やら昏き情熱といったものがメラメラと立ちのぼるのだった。
かと思えば、デュメストルのバロック・ギターは、かき鳴らしながら指を鳴らすという(どうやってんの?)民族音楽風テク多用して、炸裂しまくっていた。

正直なところチケット取り損ねの「代打」公演だったので、あまり期待してなかったのだが、スペインの情熱とフランスの「粋」(「雅」ではなくて)がヒシと迫ってきて、非常に満足できた。

それにしてもデュメストルは役者のような超二枚目のエエ男よのう。(^Q^)ヘッヘッヘッヘッ←出た!久々の下卑た笑い

ただ、王子ホール公演は満員御礼だというのに、この日は5~6割の入りだった。いくら文化果つる地の埼玉とはいえ、寂しい限りである。さらに、このプログラムでも極めて照明を絞っていて暗かったので、沈没してた人も結構いたようだ。
それに、会場は音響的にはあまり小規模の古楽アンサンブルには向いていないようだった。ステージ背後に仕切り板を立てていた(?)ようだけど。

【関連リンク】
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2014年12月 7日 (日)

「コンチェルトの夕べ」:バロックに華咲く協奏曲

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「コンチェルトの夕べ」:バロックに華咲く協奏曲

演奏:アンサンブル・レ・ナシオン
会場:日本福音ルーテル東京教会
2014年11月14日

「木の器」企画のコンサート、今回は人数が計9人とやや大きめ編成のアンサンブル・レ・ナシオンである。

タイトル通り協奏曲尽くし、しかも色々な楽器が中心となるものを次々と聞かせてくれた。
ヴィオラ、リコーダー、ヴァイオリン、さらにヴァイオリンとチェロ、同じくリコーダー&ガンバなんてのも。テレマン、ヴィヴァルディ、バッハの作品である。

ガイジン部隊では初めて見た(聞いた)ヴィオラのアダム・レーマー。とにかく背が高くて小柄な女性メンバーと並ぶと30センチメートルぐらい違う。テレマンのヴィオラ協奏曲は外見通りの力技で、実に聞きごたえあった。普段は陰に控えてる楽器だが、力強くドーンと出る時は出るぞっ!と言わん如くだ。

宇治川氏も負けじとヴィヴァルディのリコーダー協奏曲で妙技を発揮。
また、同じ作曲家のヴァイオリンとチェロのための協奏曲では2つの楽器の掛け合いが楽しかった。

バッハ先生は定番ヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリンだけでなく、なぜか通奏低音(特にコントラバス)が冴えてて、耳を引き付けられた。

残念だったのは、チェンバロだけスポットライトが当たる曲がなかった事。今回、通底に徹していた福間彩女史はぜひ次は主役を張る曲をお願いしたい。

派手なところはないが、地道に音楽を聴く喜びを感じさせるコンサートだった。また次回を楽しみにしておりますよ(^^)


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2014年12月 6日 (土)

「シャトーブリアンからの手紙」:死に際して何を叫ぶか

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第二次大戦中、ドイツ占領下のフランスで、17歳の少年ギィ・モケが処刑された経緯を描く。フランスではドイツ軍への抵抗者として伝説的存在で、教科書に載るほどだそうだ。

もっとも、この映画の中で描かれるのは政治犯収容所にいても(といってもビラ配りをしただけだが)、隣の女子収容所の娘っ子にコナかけたりしている普通の少年である。

ところが、ドイツ将校の暗殺事件が起こり、ヒトラーはその報復に収容所から150人の囚人の処刑を命ずる。(これはイタリアでも同じようなことをしたらしい)

筋金入りの思想犯だけでなく、17歳の少年や明日に釈放を控えた若者まで選ばれた経緯と、処刑までの彼らの姿を淡々と描いている。クライマックスと言える処刑場面もまた余計な感傷もなく進行する。とはいえ、見ていて非常に恐ろしく、その場に居合わせているかのような臨場感だ。

このような内容だが、独仏合作作品ということもあって、ドイツ軍に協力するフランス人や、処刑に際し錯乱状態になる独軍兵士も描かれている。双方に良心を持った人物がいても、事態は変わらずに流れていく。断罪だけでなくこういう双方に気配りした描き方も、和解の流れの一つの表れだろうか。
監督はドイツ側のフォルカー・シュレンドルフ。なんだか久々に名前を聞いたなあと思って調べたら、日本での新作公開は十数年ぶりらしい。前作が公開されてないせいもあるが、そもそも寡作なのだった。

結末に至って印象に強く残ったのは、処刑された人々が「自由」や「共産主義」を自らの生命を賭けて守ろうとしたことである。
にも関わらず、顧みれば終戦後その二つの言葉の価値は甚だしく下落したとしか言いようがない。


和解度:8点
英雄度:5点


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2014年12月 1日 (月)

聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 12月版

あっという間に12月(!o!)--というのを、毎年書いているような気がする。年末は第九かメサイアかクリオラかってなもんですかね。

*5日(金)名曲はバッハだけじゃない!(オーケストラ ファン・ヴァセナール)
同プロクラムは各地でやるもよう。
*7日(日)音楽三昧 J・S・バッハ(アンサンブル音楽三昧)
*12日(金)ラ・フォンテヴェルデのクリスマス
*21日(日)ドロン・D・シャーウィン&北御門はる
ぜひ行きたいが、まだチケット買ってない(ーー;) 当日券あるかしらん。

他にはこんなのも
*2日(火)上尾直毅クラヴィコードリサイタル
いよいよバッハ息子の記念イヤーも終盤戦。
*3日(水)モンテヴェルディ 悲劇の女王(阿部早希子&つのだたかし)
  〃   フランスバロック音楽の愉しみ(国枝俊太郎ほか)
*6日(土)ロンドン 劇音楽の黄金時代(水内謙一ほか)
  〃   ケルティック・クリスマス2014
今年はアヌーナ、サム・リー、リアム・オ・メンリィ。サム・リーが気になる。前日の武蔵野公演は完売か。
  〃   古きよきイギリスの愛の歌(平井満美子&佐野健二)
このお二人、なかなか東京周辺でコンサートやらなくてぜひ一度ナマで聞いてみたかったんだけど、三連チャンになっちゃうんで……残念無念である。
*13日(土)マラン・マレ ヴィオル作品連続演奏会4(櫻井茂&桒形亜樹子)
*21日(日)アンサンブル・コントラポント定期
*24日(水)アントネッロ結成20周年記念クリスマスコンサート
  〃    武澤秀平リサイタル

17日にはNHK-BSにてロベルタ・マメリのソロ公演放映ありです。行けなかった方は要チェック

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