「ドロテー・ミールズ ソプラノ・リサイタル」:鷺に鶯♪こいつは春から縁起がエエわい
パリの音楽家たちとともに
会場:津田ホール
2015年1月12日
ソプラノ歌手ドロテー・ミールズが3人の演奏家たちと来日。日本各地で3日連続コンサートを行なった。
彼女の歌は過去にオランダ・バッハ協会のロ短調ミサで聞いたはずなのだが、座席の位置のなど色々あって、ほとんど印象に残っていない。そもそも姿もよく見えなかったし……。
今回は小さめな会場なのでバッチリと歌を聞け、姿も拝めましたよ
全8曲のうち、3曲はそれぞれの器楽奏者(チェンバロ、チェロ、フルート)を中心としたアンサンブル演奏で、ミールズが歌ったのはテレマン、モンテクレール、バッハ、ヘンデルという組み合わせだった。
冒頭のテレマンは、フルートが奏でた旋律を歌でなぞるというような曲。他の歌曲も意図的にこの両者が揃って「歌う」ような作品を選んだようだった。
モンテクレールのカンタータはギリシャ神話の物語をレチとアリアの繰り返しで、一人で語り歌う形式。バッハは「イースター・オラトリオ」からだった。後半のヘンデルも合わせるとなんと英仏独伊語自在に操る、欧州統合\(^o^)/みたいなプログラムだったのだ。
ミールズの歌唱は清澄な美しさで、鮮やかな緑色の衣装もあってウグイスを連想させた。
ラストでは、まさにヘンデルの「スウィート・バード」で鳥の声を模倣してフルートと共に歌い交わす。笛をヒョロ~と吹き鳴らすP・ビュークルスは長身細身で黒服を着ているので、まるで黒いサギ(なんていないけど)みたい。
思わず梅にウグイス、ホ~ホケキョ
なんて連想しちゃった(^v^)
となれば、支える通奏低音の三輪睦子とH・J・シュビッテルスは梅の木の枝か。あ、でも柔軟さもあるから柳の木かな。
アンコールはヘンデル2曲。ミールズは嬉しそうにスキップせんばかりの足取りでステージを出たり入ったりしていた。まこと新春にふさわしいメデタイ演奏会であった。
会場の津田ホールは今年の3月で閉館とのこと。これが聞き納めである。ステージ上の星形の照明も見納めだ。
ただ、NHKのカメラが入っていたのでTV上では再見できるだろう。U岡氏の情報によると4月上旬放送予定とか。
帰りに1階受付の警備員さん(?)に、閉館の話を尋ねている人がいたので、さりげなく横で耳ダンボしてみたら、なんでも8階にも会議室があって、そこの稼働率も落ちているとのこと。さらに少子化で女子大の経営はただでさえ難しいので、学校に直接関係ないところは切らざるを得ないとのことだった。
| 固定リンク | 0
コメント