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2015年5月10日 (日)

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015

150510
今年も来ましたよ、LFJ。今年は5月2日~4日、テーマは「PASSIONパシオン」とかで、意味はよく分からんが、古楽公演もあるので東京国際フォーラムに3日連続で通った。

★141「ヴィヴァルディの美の極み」
演奏:カルロス・メナ、リチェルカール・コンソート
会場:ホールC

第一日目に朝イチ公演である(正確には、9時半から始まる公演があったから朝ニ)。頑張って早起きして行ったぞー。東京ではカルロス・メナ(カウンターテナー)の独唱はこれしか聞けないのだ。そのせいか、朝早くても一階はほぼ満席のようだった。ファンのオネーサマ、オバサマ方多数のもよう。

ホールは1500名収容と大きいので、あらかじめ座席選択でかなり前の方をゲットしておいた。これは吉と出た。声はダイレクトに聞けたし、歌うお姿もバッチリ見られた。
ヴィヴァルディの作品は3曲とも宗教曲であるが、宗教曲とは名ばかり(^O^)ソロ歌手の見せ場聞かせ場の続出な華やかなものだった。

1曲目は客もメナもまだ本調子でないような雰囲気だったが、その後の「スターバト・マーテル」からはノリが良くなっていった。
ただ、本来ならブラボー飛び交ってもいいようなないようだったと思うんだけど、今一つ客席が静かだったのが残念。まだ半分寝てたかしらん。

リチェルカール・コンソートの方は弦と通奏低音の編成で、フィリップ・ピエルロは指揮に徹している--はずが、真ん中にガンバが置いてある。どこかで弾くのかと思っていたら、「ニシ・ドミヌス」でメナとの美しい二重唱奏を聞かせてくれた。ウットリheart01
通奏低音が休みでヴァイオリンとヴィオラが弾いているという楽章が2回出てきた。ヴィヴァルディはこの形式が好みなのだろうか。

3歳から入場可能なコンサートだったので、小さな男の子がいたのだが、2曲目の途中あたりから我慢が出来ずゴソゴソしだした。恐らくメナを聞きたかったのであろうおかーさんは無念(>_<) あえなく子どもを抱えて途中退場したのだった。


★143「バッハによる哀悼のカンタータ」
 345「バッハによる喜びのマニフィカト」
演奏:リチェルカール・コンソート
会場:ホールC

今年のリチェルカール・コンソートは弦・管・打とバッハ演奏としてはフル編成で来日した。(トランペットは穴あきを使用)
もっとも歌手の方は基本一声部一人なので1日目は4人、3日目は5人だった。しかも、舞台の前方ではなくて楽器の後方で歌うので、1500人の会場ではかなり厳しかったのではないだろうか。私はやはり前方の席だったので、後ろでどの程度聞こえたか不明である。

1日目はカンタータ103番と追悼歌「候妃よ、いま一条の光を」である。ここでアクシデント発生impact 配布された歌詞になんと後者の曲の後半が脱落していたのだ!ちょうど、第1部と第2部の切れ目だったので、終わったと勘違いして拍手が起こってしまった。私なぞ、録音で散々聞いた曲なのにボーッとして一緒に拍手したりして……(@_@;)
終演後、「歌詞の訂正」を配っていたが、これってBCJの公演時のパンフをそのまま借りてないか?(文字の組み方が全く同じ)

それはともかく、テノールのマンメルが驚くべき不調だった。高音部に行くと全く歌になってないような乱調ぶりである。なんでこんななの(?_?) このすぐ後のBCJのコンサートでは「マタイ」の福音史家をやったというのだから恐るべし。ネットで、医者の処方薬で音感が半音狂うものがあるというのを知ったが、もしかしてその類を飲んだとかだろうかtyphoon
ソプラノは白髪がめっきり増えた常連マリア・ケオハネ。声が良く響いて大きなホールでは強いタイプであるな。

103番のアルトのアリアではM・アンタイのフルートが素晴らしかった。もっと近くで聴きたーいear しかし午前中の同じメナが歌ったヴィヴァルディと比べると、バッハの歌曲は歌手が見せ場を作るような面には欠けてるなと思った。
「候妃~」ではオーボエが艶のある音でこれまた聞き入ってしまった。こちらでは、ガンバは日本代表(?)武澤秀平が特別出演した。もう一人の女性もBCJの公演の時に一緒に弾いてた人かな。

疑問に感じたのは、テオルボの人がかき鳴らす弾き方をしていたこと。世俗曲ならやるかも知れないけど、追悼曲(分類では宗教曲じゃないが)でもそれをやるのか? 詳しい人にぜひ聞いてみたいもんである。

公演345では、マンメルの声が復調していてホッdashとした。(それでも、少々怪しいところが……)
107番のカンタータには彼が歌ったアリアがあったが、ライナー・ツィパーリングのチェロがガシガシと強靭で素晴らしかった。いつか、彼と鈴木ヒデミ氏との東西頑固チェロ対決共演を聞きたいもんである。
後半の大曲「マニフィカト」は三重唱や合唱も美しく、トランペットやティンパニも登場して華やかに盛り上がった。

関係ないけど、この公演も有名な某「おじさん」が来ていた。しかし座席は最前列ではなかった。最前列でないのは初めて見た!(ような気がする)

リチェルカール・コンソートは金沢の方のLFJと一日おきに行ったり来たりしてたようで、ご苦労さんである。金沢ではメナのソロが2回もあり、さらにアンタイの単独公演もあってうらやましい。うらやまし過ぎるぞ、金沢\(◎o◎)/!
ところが、古楽系の客の入りが悪かったということで問題になったらしい。確かに実際に行った人のブログに、メナのコンサートがガラガラだった(「こんなに空いていたのは初めて」というぐらい)と書いてあった。しかし、彼らの知名度では仕方あるまい。地方で1500名規模の会場を古楽系で埋めるのは無理である。--というか、そもそもそんなデカい所でやらんでくれ。


★233「ルネサンスの恋の歌」
 226「ルネサンスの愛の二重唱」
演奏:ラ・ヴェネクシアーナ
ホールB5、ホールB7

ラ・ヴェネ(ク)シアーナは3回公演があったが、そのうち一つは抽選に外れてしまった。
しかし、ここでもアクシデント発生danger バスの歌手(「ポッペア」でセネカやってた人ですね)が来日した途端に声が不調となり、急きょプログラムを入れ替えたのである。一日目の夜にやるはずだったマドリガーレを二日目に回し、二日目のモンテヴェルディ特集を最初にやった、ということらしい。

かくして、私は小さなB5ホールでマドリガーレを堪能……のはずだったのが、なんと遅刻して端っこの席になってしまった。自分が悪いから仕方ないけどさ。結果、メンバーの横というか背中を眺める羽目になってしまった。トホホ(T_T)である。
声は壁に反響してくるのを聞くみたいな感じだった。

歌いながら指揮しているカヴィーナを含めて歌手は6人。さらにテオルボとハープがいた。ただし、歌曲はほとんどアカペラで、間に器楽曲が入るという形である。
作曲家はモンテヴェルディ、ジェズアルドのマドリガーレを交互に。ルネサンス末期からバロック初期をつなぐような内容だ。
曲間に拍手はなく、息するのもはばかられる濃厚な雰囲気が会場内に立ちこめる。硬質な声の世界に封じ込められたようだった。
ここにもあの「おじさん」が来ていた。どうやっていい席を確保できるのか。何かツテがあるとしか思えない。

さて、次のコンサートまで5時間も空きがあるので、渋谷まで映画を見に行った。タワーにも寄る暇があって楽勝(*^^)vであった。もっとも、この日は暑くて渋谷の道路で日向を歩いていると体力がどんどん消耗してマイッタ。

夜の7時半になって、今度はデュエットの曲ばかり集めたプログラム。こちらは800人収容という大きめで、しかも段差がない会場だ。正直、ここで少人数の古楽アンサンブルを聞くのは厳しいng まだ私は座席がサイドとはいえ前の方だからよかったものの。

歌手はソプラノ2人にテノールとバスで、カヴィーナはチェンバロと指揮に専念していた。モンテヴェルディ以外にディンディア、ストロッツィ、サンチェス、カリッシミで、全8曲。
最後にストラデッラの歌曲でソプラノとバスがデュエットするはずだったが、バスの歌手に負担が大きい曲とのことで、急きょ「ポッペア」の最後の二重唱に変更になった。別に聞いてる限りではバスの人はそんなに不調と思えなかったのだけど……。
でも、モンテヴェルディの名曲が聞けたと変更を喜んでる人が結構いたかもしれない。

同じくモンテヴェルディの「素敵な羊飼い」はバカップルがイチャイチャしているような内容で、歌手も芝居気タップリ、会場も大いに沸いた。なんか聞き覚えがあるなあと思ったら、以前ラ・フォンテヴェルデの公演でやってたのを聞いたのだ。
昼間の公演とは違って大いにリラックスした雰囲気だった。

終演してから、「45分間で2600円って高くない? 普通のコンサートと同じじゃないの。安いとか宣伝してるけど、全然安くない」と話している人がいて、確かに頷けると思った。
この日のメンバーのラ・ヴェネクシアーナなら都内の中規模ホールで6~5千円ぐらいか。会場の音質のことを考えると比べて安くはない。

さて、かつてこのグループの「花」的存在fujiだったソプラノのガッリとマメリは参加してなかった。期待してたのに、二人ともいなくてガッカリしてた人が多かったようだ。しかし、マメリはもう一枚看板張れるぐらいになってるから、「ポッペア」みたいにオペラの主役でというならともかく、地味なマドリガーレのプログラムでアンサンブルの一員として--なんてのでは来日しないでしょう。


全体を通して一番だったのは、やはりM・メナのソロ公演だった。満足であ~るfull
古楽系では他にアンサンブル・レ・ゾンブルというグループを聞いてみたかったが、会場がよみうりホールだったので断念した。(国内組は他に聞く機会はあるのでパス)
3日間、天気が良くてよかったけど、人出は最盛期に比べるとやはり少ないという印象だった。グッズ売り場に行くとよーく分かるし、バッハ特集の頃なんかそもそも当日チケットがほとんど残ってなかったのである。

あと、一つ不満なのはメンバーのリストが出ないこと。リチェルカール・コンソートは歌手の名前しか分からないし、ラ・ヴェネクシアーナに至ってはカヴィーナの名前しか出てない。「あのチェロは誰だ?」とか思っても探しようがない。
ギリギリまで判明しないというのなら、せめて事後にサイトに載せて欲しいぞ。

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