「パレードへようこそ」:同じ闘うなら連帯せにゃソンソン
監督:マシュー・ウォーチャス
出演:ビル・ナイ
英国2014年
この映画、『ブラス!』や『フル・モンティ』『リトル・ダンサー』を引き合いにして紹介されていたが、見るとなるほどという感じであった。
サッチャー政権下の英国、虐げられている同士、炭坑夫の長期ストライキを支援しよう\(^o^)/と思い立ったのは、ゲイの若者の団体。寄付金を集めるも、送ろうとすると偏見からどこの炭坑組合からも拒否されてしまう。
唯一うっかりと承諾してしまった組合の町と思いがけず交流が始まるという次第。
互いに「ゲイって初めて見た」「炭坑夫って初めて見た」というぐらいで、マッチョな気質の町民と若者たちの間には良いことも悪いことも色々と起こるのであった。
さらに、エイズの影もちらほら……。
それに加えて、自分がゲイであることを自覚し始めながらも家族には隠している青年の成長譚がそれに絡む。
一方で、炭坑町の女性たちもパワーを得る。
時代は違えど『ジミー、野を駆ける伝説』を連想した。構造がよく似ている。
反抗精神とユーモアを忘れず、異なるコミュニティに属する人々が和解していく経緯は感動的であるし、1980年代の英国にはそんなこともあったんだーと初めて知った(ちなみに実話を元にしている)。
さらにビル・ナイやイメルダ・スタウントンなどベテラン役者陣の演技も味わい深いものがある。
ただ、こういう話は脚本の丁寧さが重要かと思うんだけど、今一つ乱雑なところがあって辻褄が合わず、納得いかない部分があった。青年の姉が前触れなしに突然登場してくる場面もおかしい。2時間の長さだけど、本当はカットされている場面があってもっと長いのか。そこに不満を感じた。
実際には、炭坑ストライキと政府との対立は苛烈なもので、警官隊との激突で死傷者なども出たらしい。そういう背景があってこその話のようだ。
ゲイのパレードに「余計な政治的メッセージは出すな」という注文が主催者から来る件りは、日本の原発デモの時も似たような議論があったなあと思い出した。いずこも同じ問題なのか。
80年代の音楽(あと、ファッションも)は個人的に非常に懐かしかった
連帯度:7点
反発度:6点
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