« ヘンデル「ジューリオ・チェーザレ」:ワニが踊れば舞台が回る | トップページ | 「親密な語らい」:揺れにも負けず放送にも負けず »

2015年6月 8日 (月)

「偽りの果実 警部補マルコム・フォックス」

150608
著者:イアン・ランキン
新潮文庫2015年

イアン・ランキンのファンとしては、ジョン・リーバスものの新作の直後に、こちらのマルコム・フォックス新作が出て、まるで盆暮れ正月がいっぺんに来たような状況である。

原作が出た順番で見ると、こちらの方が一年ばかり早いようだ。『他人の墓の中に立ち』ではリーバスの敵役として登場した内務調査班(といっても、警察上部の都合で名称がコロコロ変わる)のフォックスが主人公だ。

ある警官がヤク中の女性に特別な「サービス」を強要したという事件を調査することになった調査班の3人、問題が起こった警察署で聞き取りを始めるが、当然協力を得られるはずもない。悪戦苦闘するなか、関係者が次々死亡……。
一方で、老人ホームでフォックスの父親が倒れたりして公私ともに大変である。

やがて、事件を調べるうちに80年代にテロリストと関係があったらしい弁護士の事故にたどり着くという次第。
日本で過激派というと60年代末から70年代初めが思い起こされるが、スコットランドだと独立運動や環境問題などで80年代が盛んだったらしい。その陰で色々となことが起こったが、今は忘れ去られているという背景がある。

昔の事件が引きずり出されるという展開で、前作よりかなり面白かった。ただ、警察内部の事件とは関係なくなってきてしまう展開なのに、どうして主人公が鼻を突っ込んでいられるのかは謎であった。あちらの警察はそんなに勤務にうるさくないのか?

色んな人物が次々登場するので覚えきれんよ(@_@;) 登場人物リストは2ページぐらい使って載せて欲しい。

次作ではこのシリーズでもリーバスが登場とのことで、これはぜひ訳してもらわんと。新潮さんなにとぞ頼んます(-人-)オネガイ 今後何年も盆も暮も来ないという事態だけは避けたいのう

| |

« ヘンデル「ジューリオ・チェーザレ」:ワニが踊れば舞台が回る | トップページ | 「親密な語らい」:揺れにも負けず放送にも負けず »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「偽りの果実 警部補マルコム・フォックス」:

« ヘンデル「ジューリオ・チェーザレ」:ワニが踊れば舞台が回る | トップページ | 「親密な語らい」:揺れにも負けず放送にも負けず »