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2015年6月 7日 (日)

ヘンデル「ジューリオ・チェーザレ」:ワニが踊れば舞台が回る

150607
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
指揮:鈴木秀美
演出:菅尾友
演奏:ニューウェーブ・バロック・オーケストラ・トウキョウ
会場:新国立劇場 中劇場
2015年5月23・24日

ヘンデル先生の「ジューリオ・チェーザレ」というと、二期会では10年前にBCJとやった公演を見た(聞いた)。この時は演出がかなり問題あったようである。
それ以外ではダニエル・デ・ニースが評判を取ったグラインドボーン音楽祭の映画館での上映に行った。

今回は二期会が主催で、鈴木(弟)秀美が招かれて指揮という形のようだ。オーケストラは実際には主要なところはBCJのメンバーと重なっている。一方で学生も参加してるということで平均年齢はかなり若い。

全体の特徴は、まずワニの被り物をつけたダンサーたちが黒子やら兵士役やらその他をやって全編で活躍し、開演前や幕間にもパントマイムみたいなことをしていた。(コーラスは舞台上に出て来ない)
人物は人形という設定で衣装やメイクが皆それっぽくて、巨大な人形劇を見せられているようである。さらに、ファンタジー系RPGの登場人物のように尖ったエルフ耳をしているので、ゲームの場面を見ているようでもある。

これは多分、小柄な女性歌手が英雄やら暴君を演じる違和感をなくすためではないかと思った。ゲームのキャラクターというのなら気にならないよね(*^^)v
ただ、コルネリア役は絶世の美女なはずなのに、変な人形のメイクや髪型・衣装なので「美女」とはかけ離れて見えたのは残念無念である。

それと回り舞台を頻繁に使用した演出は場面転換が激しくて、繰り返しが長いアリアでも退屈するなんてことはない。ただ、見ている方に気を取られて耳の方が散漫になっちゃったりしてear 加えて、歌手は歌いながらの動きが多くて大変だー。
チェーザレ(とワニ)が客席に出て来て歌うなんて場面も。間近に見るとチェーザレ役の人、すごい美人でピカピカと光り輝いて見えた。
さらに照明が巧みに舞台に彩りを与えていたのも付け加えておこう。

オーケストラは……なんか音が重たい。覇気がないとかいうのではなくて、会場のせいだろうか。考えてみれば、中劇場は基本的に芝居用のホールだよね。
しばらく前に行った『優雅なインドの国々』の時はそもそも多目的大ホールだから、音が良くなくても仕方ないので書かなかったのだけど、今回の中劇場はステージ上の歌手の声もオーケストラ・ピットも音質的には練馬文化センターと変わらないようだった。まあ、こちらの方が狭いから若干身近に聞こえるかな、という程度だ。
でも、ホルンが勇ましいチェーザレのアリアはカッコ良かったですけど(^O^)

休憩中にピット内を観察したらテオルボ(佐藤亜紀子)とチェンバロ2台(上尾直毅&福間彩)にマイクが立っていた。録画している(記録用?)とのことで会場の最後部にカメラがあったのは確かだけど、他の楽器の所にマイクはないのでもしかして局所的にPAシステム使ってた(?_?)などと疑ってしまったです。

終わりに残念な部分を書いておこう。
歌手の半分ぐらいはヘンデル先生のアリアを歌うにはまだ修行不足なようだった。今後の修練に期待します(+_+)
それから全体に喜劇仕立てなんだよねえ。舞台の展開もドタバタしているし。それはいいんだけど、クレオパトラがなんだか権力が好きなだけのキャピキャピ娘kissmarkにしか見えないのには困ったもん。これはダニエル・デ・ニース版が当たりを取った悪影響だろうか。
中盤、チェーザレが死んだと誤解したあたりは良かったのだけど、その後また元に戻ってしまった。いくら、必ずしも原作者の意図に沿う必要がないとはいっても、これじゃヘンデル先生も浮かばれめえってなもんだ。

--と文句をつけたが、今後もバロックオペラをよろしくお願いしまーす(^人^)


ところで、この公演で新国の中劇場は全くバリアフリーではないことに初めて気付いた。客席の傾斜がかなり激しいのに出入り口は後ろしかなくて、前の方の座席に行くにはその急な階段を降りていくしかない。
芝居なら若い人も多いだろうが、二期会のオペラとなると高齢者多数。杖を突いたお年寄りが係員に案内されて必死に階段を上り下りしていたのだった。
そんな古い施設でもないのに、いやしくも「国立劇場」がこの有様はどうよ。さらに劇場入口にたどり着くまでもやたら長い階段で気に入らねえよ<`ヘ´>


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