「オルフェ 18世紀ベルサイユ宮殿にて王に捧げられた音楽」:ここはどこ?フランス?私は誰?
数か月前のラモー『優雅なインドの国々』ではひと際光っていたソプラノ歌手高橋美千子が歌うコンサートがあるというので、聞きに行った。
テーマはルイ14世の宮廷で聞かれた音楽ということで、前半はクレランボーのカンタータ「オルフェ」、後半はエール・ド・クールだった。
高橋女史と共に器楽の若手四人もフランス在住ということで、「ああっ、ここは日本なの?!うそっ('';) (;'')」と、思わず周囲をキョロキョロと見回してしまうようなフランス趣味横溢する演奏である。
この時代のフランスのカンタータというと、神話に題材を取った内容を一人で歌い語る--というのを、過去二、三回聞いたことがある。この日の高橋女史の歌唱は、比べてかなりバロック・オペラ的な面が大きかったように思えた。簡単なジェスチャーを付けて身体的にも「声」にも劇的で振幅が大きい。しっかりと「一人オペラ」の様相を示していた。
それにしても、クレランボーというとオルガン曲のイメージが大きいが、こんなカンタータも作っていたのね。知らなかった。
エール・ド・クールはクープラン、ランベールは知っているが、ル・カミュ、ドゥ・バッシーイとなると名前も聞いたことなし。この4人の歌曲が歌われた。高橋女史のフランス語の響きも美しく(全く言葉は分からないけれど)、ウットリとして聞いてしまった。
曲の合間には同じくクープラン、マレ、ルクレールなどの器楽曲が挟まれる。これがまた典雅さと堅実さの同居した演奏でやはり聞き入ってしまった。
若手でこんな達者な人たちがいるのねーと感心してしまった。若い世代の優秀な奏者は留学などでみんな海外に行っちゃうから、日本では却って聞く機会は少なくなるようだ。残念である。
というわけで、全編満足できたコンサートだった。今月13日には関西公演もあるようなので、フランス・バロック愛好者は是非どうぞ(^^♪
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コメント
関西公演行って参りました。高橋美千子さんのフランス語は本当に美しかったし、色々と考え抜かれた歌だと思います。前半のプチ・オペラと後半の宮廷歌曲で、ガラリと歌い方を変えていましたしね。ドミニク・ヴィスとのデュエットも聴きたいですけどねぇ、無理ですねぇ。
投稿: Pilgrim | 2015年9月13日 (日) 22時40分
遅レスすみません。
実は行くかどうか迷っていたんですが、行って本当にヨカッタという感じです。
D・ヴィスとのコンサート、なんで川崎だけなのさ(-_-メ)と思ってしまいました。くやしい~っ!
投稿: さわやか革命 | 2015年9月19日 (土) 22時13分