「ひとときの音楽 ソプラノとリュートの調べ」:女性支持率9割の謎
演奏:鈴木美登里&今村泰典
会場:近江楽堂
2015年10月9日
鈴木美登里(ソプラノ)と今村泰典(リュート、テオルボ)という意外(?)な組合せで、パーセルをというさらに意外なプログラムのコンサートである。
鈴木女史というと、自らのグループのラ・フォンテヴェルデでは最近はモンテヴェルディをやってるし、今村氏はフォンス・ムジケではフランスもの中心で、どちらも大陸の音楽という印象が強い。
前半はパーセル一本勝負で、様々な歌劇などから世俗歌曲を。最後の「夕べの讃歌」だけ宗教曲だった。途中に今村氏の独奏による組曲が入った。パーセルにはリュートの曲はないので編曲したとのこと。
鈴木女史の力強い歌声は小さな近江楽堂の円天井いっばいに満たした。
休憩後はヴァイスのソナタから開始。今村氏がリュートを持ちかえて独奏した。
続いて歌曲は、テレマン、そしてヘンデルを一曲ずつ。アンコールもヘンデルだった。
こうして聞いてみると、やはり鈴木女史のキャラクターとか歌唱スタイルなどもあって、パーセルよりヘンデルの方が生き生きとして合っているように思えた。
逆に言うと、一見(一聞)ヘンデルほどにはクセがありそうには思えないパーセルも歌う人を選ぶ一筋縄ではいかない存在ということだろう。
今村氏のヴァイスはこれまで録音では散々聞いてきたので、ナマで聞けたのは非常に嬉しいッ(*^o^*) チェンバロとリュートの響きに関しては、近江楽堂は最適。弦の音がシンと染みわたっていくのだった。
10年以上も前、新宿でやはり彼のソロ公演を聞いたことかあるけど、曲目をよく覚えていない。バッハだったかな……(-_-) 会場がひどかったことだけは覚えている。
この日は古楽系の公演が幾つか重なっていたせいかも知れないが、客の男女比が1:9ぐらいなのには驚いてしまった。もっともラ・フォンテヴェルデも女性客が多いが、鈴木女史のソロでもこの比率というのはビックリ。波多野睦美も女性ファンの方が多数とはいえ、これほどではない。
それから、歌詞カードがプログラム内容の紙とは別に、チラシの間に挟まっていて気付かないまま前半経過してしまった なんとかしてくれい。
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