「舞曲は踊る 2」:踊る国王に聴く臣民
没後300年ルイ14世へのオマージュ
製作・監修:浜中康子
会場:紀尾井ホール
2015年12月6日
バロックダンスを中心とし、朝岡聡が語りを務める公演。「2」とあるからには、「1」もあったはずだが、その時は他の公演と3連チャンになってしまうので行かなかったのであった。
似たような趣向、出演者のコンサートは過去に「バロック音楽とダンスで楽しむクリスマス」なんてのがありましたな。
今回は没後300年を記念してルイ14世尽くしだった。
作曲家はリュリ、クープラン、カンプラ、ルベルなど。ほとんどは当時の舞踏譜による振付である。
一番の見どころは、10代の国王が踊った「夜のバレエ」だろう。台本やカラーのコスチューム図が残されているが、音楽については第1ヴァイオリンのパート譜のみ。舞踏譜に至ってはこの時代にはまだ存在してないということだそうだ。
で、上尾直毅がアンサンブル用に曲をアレンジし、浜中康子ほか3人でダンスを復元したという。
しかし、当時12時間にわたって行われたイベントだというのはすごい。その中から国王が踊った4曲とリュリも踊った1曲が披露された。豪華な衣装も目を奪った。「情熱」というのは真っ赤な衣装で、派手の極み(!o!) ラストはもちろん、国王による金色に輝く「アポロン」である。
リュリの作曲による文字通り9人で踊った「9人のダンサーのバレエ」も迫力だった。
その他、イタリアの喜劇コメディア・デラルテを模したコミカルなものもあれば、スペイン調にカスタネットを鳴らしつつ踊る「フォリア」(曲はリュリとマレのもの)もあった。
面白かったのは、新実徳英という作曲家に委嘱したオリジナル曲で、踊りの方はクラシックバレエや社交ダンス、モダンダンスも含めて入り乱れる。バロックダンスがこんなに現代曲にピッタリ合うとはビックリした(この時はモダン楽器による演奏)
アンサンブルを支えるは上尾氏(ミュゼット、バロックギターも披露)の他、若松夏美、高田あずみ、平尾雅子、三宮正満などお馴染みの面々。フルートの前田りり子はクープランの「恋のうぐいす」を披露した。以前、近江楽堂で聞いた時とちょっと趣が違って聞こえたのは、会場のせいかしらん。
クリスマスらしい華やかな企画だった。私も国王の臣民の一人になった気分(*^_^*)
3時間近くかかったのは、曲数が多いからもあるだろうが、朝岡氏の語りが結構長かったような気がする。
紀尾井ホールは古楽系のコンサートがめっきり少なくなったせいで、1年に一度行くか行かないかになってしまった。座席が後ろ過ぎてちょっと失敗だった。
向かいにあるホテルニューオータニのクリスマスツリーの電飾がとてもキレイだったです(^^)
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