「ロレンツォ・ギエルミ オルガン・リサイタル」:譜めくり無用
バッハ名曲集
会場:東京芸術劇場コンサートホール
2016年2月11日
最近はパイプオルガンのコンサートからめっきり足が遠ざかってしまった。これではいかん!と行きましたよ。この会場で過去に聞いたことがあるのは、鈴木雅明とグスタフ・レオンハルトだったような。(記憶曖昧(^^ゞ)
ギエルミは過去にラ・ディヴィナ・アルモニアの公演で聞いた。
今回はかなりタイトな日程での全国ツァーで、それも単独でオルガン、チェンバロ双方を弾くのもあれば、グループのメンバーであるヴァイオリンの平崎真弓と共演するプログラムもある--と大活躍である。
私は今回、全曲バッハのオルガンソロ公演を選んでみた。
プログラム自体は親しみやすい、というか穏当な選曲だろう。
ライプツィヒ・コラール集からの曲が多く(さらにシュープラー・コラール集からも一曲)、あとマルチェッロとヴィヴァルディの協奏曲を編曲したもの。マルチェッロの編曲版は初めて聞いたような。
珍しかったのは「前奏曲とフーガBWV545」に初期稿にあったラルゴを付け加えたもの。「ん?なんか聞いたことあるなー」と思ったら、「トリオ・ソナタ」に転用された曲なのであった。
トリの大曲はお馴染み「トッカータとフーガニ短調」。お馴染み過ぎて「この曲やらないと客が入らんのか(@_@;)、他の曲が聞きた~い」と思っちゃうほどなのだ。
テクニックの方はトーシロなのでよく分からないが、全体的にグイグイ個性を押し付けてくるようなタイプではなく、曲に即して解釈をさらりと流していくような印象だった。
同じオール・パイプオルガン公演でも、京都の方は他の作曲家の作品も半分やったようなので、そちらも聞いて見たかった。
珍しいと思ったのは譜めくりの人がいなかったこと。ヴィヴァルディ編曲版だけは途中でストップ操作しなければならないので登場した。
なお、アンコールの二曲目はフレスコバルディの「ガリアルダ」という短い曲をやったが、オルガンの真ん中上方についている星がカラカラと音を立てながら回り、鳥の鳴き声の音色を使ったかわゆい曲で、聴衆に大いにウケていた。
NHKのカメラが入っていて、3月30日の「クラシック倶楽部」で放映されるそうである。
10分押しで始まり、演奏自体は正味一時間ちょっとだった。早目に終わったので、芸術劇場のホール入口の同じフロアで、たまたま森山大道の写真展をやっているのを発見し入ってみた。
しかし、なんだか彼を取材したドキュメンタリーDVDのプロモーション会場みたいだった。正直言って600円損した(ーー;)
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