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2016年5月 5日 (木)

「夏の夜の夢」:多文化主義的夏夢

原作:ウィリアム・シェイクスピア
舞台演出:ジュリー・テイモア
出演:キャスリン・ハンター
米国2014年

ジュリー・テイモア演出というと、過去にヘレン・ミレン主演の『テンペスト』を見たことがあるが、こちらは舞台をそのまま収録したものである(観客もいる)。
とはいっても、複数のカメラを使って客席からは見えないアップや位置の映像も見られるようになっている。

昨年はSPACがらみで2回も「夏夢」を見たので、長尺だし正直もういいかという気分だったが、キャスリン・ハンターがパックを演じるsign03これは絶対見なくては(!o!)と行ったのだった。彼女はピーター・ブルックの『驚愕の谷』という芝居に出演していた。芝居の内容自体は面白いものではなかったが、その強い個性に驚いたもんである。で、彼女がシェイクスピア芝居をやっているなら、どうしても見たいと思ったのだ。

舞台装置は大きな布を使って役者を持ち上げたり、波を立てたり様々に見せる。その動きがとても幻想的だ。
森の妖精たちは子どもが中心で演じている。白塗りで、オーストラリアの先住民を連想させた。役者の年齢は全体的にかなり若い。また、主要人物の数名はアフリカ系が演じている。

ハンターは非常に小柄だが手足が長くて人間離れしている。傍から見ると年齢も性別も不詳である。実年齢を考えると信じられないほどの身体の柔らかさだ。まことにパックにふさわしい。

4人の恋人たちは最後になぜか下着姿でプロレスを始めてしまう。それまで彼らを邪魔したりからかったりしていた妖精たちは、ここぞとばかりに容赦なくはやしたて、脇からガンガン枕を投げつける。おバカな人間ども(^◇^)もっとやれ~ってなもんだ。

さんざんドタバタしていた恋人たちではあるが一件落着した後は、今度は職人芝居を同様にからかい半分で眺める。職人たちは変なキャラクターを発揮する役者ばかりで、これまたさすがである。
作り物のロバ頭の口が動くのには笑った。空気仕掛けで動かしているらしい。

やはりK・ハンターは一見の価値はあった。超・怪優と言っていいだろう。

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コメント

はじめまして。いつも楽しくニマニマしながら読ませていただいてます。
キャスリン・ハンター!20年以上前ですが、テアトル・ド・コンプリシテの「ルーシー・キャブロルの3つの人生」見ました。他にもいくつか見ましたが、ルーシーが一番衝撃的と言うか印象的と言うか、ビックリでした。
役柄と実際のハンターさんの写真の違いに更にビックリ!

マイナー趣味と言われる私には聴かずに死ねるかシリーズもツボです。好みが被ってるので、もしかするとどこかで接近遭遇してるかも…

投稿: 愛読者1 | 2016年5月 7日 (土) 10時01分

ハンターは他の役も色々と見てみたくなりますねえ。ハリー・ポッターの映画にも出ていたなんて全く分かりませんでした。

確かに、古楽のマイナーなコンサートでは、「あ、この人また来てる」という人が何人かいらっしゃいますね>^_^<
これからもご贔屓にお願いします。

投稿: さわやか革命 | 2016年5月 8日 (日) 12時37分

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